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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

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10)取って置きニュースいろいろ・2014(第1〜4週)

 「取って置き」を広辞苑で調べると「後日の用意にと大切にしまっておくこと。また、そのもの。」とあります。ここでは、何となく気になって取って置いた徳島新聞の記事の幾つかを紹介します。

1)2014年1月8日(23)社会
  
国立成育センター 別人に幹細胞を移植 4歳女児、大きな被害なし

  国立成育医療研究センターは7日、1歳男児に移植する予定だった末梢血幹細胞を誤って
  4歳女児に移植するという患者の取り違えをしたと発表した。主治医は、移植に使う注
  射器に患者名を書かなかった上、一緒に確認する看護師が不在なまま移植をした。二人
  の主治医は同じ人だった。

  ☆病院長は謝罪し、原因は「患者の確認が徹底していなかった。主治医の勘違いで、初
   歩的なミスだった」と説明しています。
   患者の取り違えでは、1999年1月に発生した大学附属病院における患者誤認事故が思い出されます。一人の看護師
   が二人の患者を同時に搬送したのですが、その際、患者が入れ替わったのに気付かなかったのです。そして、手術
   室でも、入れ替わりに気付くことなく、肺と心臓の手術が、それぞれ必要のない患者に施されました。
   人間が介在する作業にミスはつきものです。そのため、ダブルチェックなど確認のルールを決めるのですが、守ら
   なければ意味がありません。人質(じんしつ)管理が必要と考えます。

2-1)2014年1月10日(1)総合
  
三重の三菱マテリアル 工場爆発5人死亡 12人負傷 熱交換器の洗浄中
  9日午後2時10分ごろ、三重県四日市市三田町5、「三菱マテリアル」の四日市工場第1プラントで爆発があった。同
  社社員の豊田裕久さんら5人が死亡。さらに20〜40歳の男性作業員ら12人がけがをして四日市市などの病院に運ば 
  れた。メンテナンスの一環として「危険物施設」から取り外していた円筒形の「熱交換器」長さ約5m、直径約
  1m、重さ約5t)の配管内を水洗浄しようとした際に発生した。熱交換器の重さ約200kgのふたを重機で取り外した
  3秒後で、「トリクロロシラン類」などの残留物が空気中の水分に触れて水素が発生し、爆発が起きたとみられる。
  ふたは約10m離れた場所まで飛んでいたという。
2-2)2014年1月11日(30)社会
  化学物質配管ふさぐ 三重・工場爆発 分解不十分で残留か
  5人が死亡、12人が負傷した三菱マテリアル四日市工場の爆発事故で、工場幹部は10日、爆発した熱交換器内部に残
  留していた大量の化学物質が配管をふさぎ、水素がたまり何らかの理由で引火した可能性があると明らかにした。
2-3)2014年1月12日(23)社会
  
三重・工場爆発 交換器8年洗浄せず 三菱マテ社長会見 安全規定不備認める
  洗浄作業中に爆発した熱交換器は2006年1月に使用を開始してから、約8年間一度も洗浄されていなかったことが
  11日、工場への取材で分かった。洗浄作業中、近くに火花が出る恐れのある発電機が置かれていたことも判明。洗
  浄作業時の安全確保の具体的な規定もなく、三重県警は、ずさんな安全管理体制が爆発事故につながったとみて
  11日、業務上過失致死容疑で工場事務所などを家宅捜索した。安全管理に関するファイルなど40数点を押収。週明
  けにも捜査本部を設置する方針を固めており、工場関係者からの事情聴取などを本格化させる。

  ☆2006年4月から事業者には新たに「危険性又は有害性の特定、リスクの見積りおよびその結果に基づくリスク低減
   措置の実施」が法令上の努力義務とされています。
   近年、労働災害の原因が多様化し、その把握が困難になっています。これは生産工程に導入された機械設備などが
   高度化され、複雑になってきたことが原因と思われます。このような状況において事業者は事業場の安全衛生水準
   の向上を図らなければなりません。即ち、リスクアセスメントの実施は”安全第一(Safety first)”の企業文化を
   醸成し、事業場の安全衛生水準を向上させるために課せられた法令上の努力義務なのです。
   八尾社長は謝罪会見の中で「定量的基準を含むマニュアル整備を進める考え」を示されましたが、ずさんな安全管
   理の代償はあまりにも大きなものになりました。

3)2014年1月13日(23)社会
  
大阪府警警部 調書7年後に捏造 強制わいせつ容疑者浮上で作成
  警察庁刑事局に出向中の大阪府警警部が岸和田署の刑事課強行班係長だった2005年、
  強制わいせつ事件の実況見分調書の作成を怠り、約7年後に捏造していたことが12日、
  捜査関係者への取材で分かった。

  ☆警部は「自らの不始末を解決しなければと思った。」と説明しているようですが、
   不始末の解決法として、辻褄合わせのため調書を捏造するのは言語道断です。
   このような捏造や改ざんが後を絶たないのは何故なのでしょうか。嘘をつかない、
   隠さない、辻褄合わせをしないという基本的な姿勢をとることが何故できないのでしょうか。
   ところで、今、発生している多くの改ざんや捏造の根本原因は個人又は組織の何れにあるのでしょうか。組織の一
   員として行動する際、個人の持つ道徳観や倫理観に変化が生じているのでしょうか。大きな問題が発生したときに
   組織される原因の調査や検証チームの中に心理学の専門家はいるのでしょうか。今までと同じような対応ではいつ
   になっても再発の防止はできないと思います。

4)2014年1月11日(30)社会
  
アルツハイマー大規模臨床研究 データ不適切管理か 厚労省調査
  アルツハイマー病の早期発見を目指して全国38の医療機関が参加する大規模な臨床研究で、厚生労働省は10日まで
  に、データが不適切に管理されたと内部の研究者から指摘があったとして関係者から事情を聴くなど調査を始めた。

  ☆同チームの研究者は独自に検証した結果、「アルツハイマー病以外による認知症や、研究参加への同意を得ていな
   いなど、解析に適さない可能性のある患者が約80人含まれていた」と指摘しています。

5)2014年1月18日(1)総合
  ノバルティス社 白血病研究に社員関与 再発防止策後も継続
  東京大病院など国内の22の医療機関が実施する白血病治療薬の臨床研究に、治療薬を販売する製薬会社ノバルティ
  スファーマの社員8人が関与していたことが17日、分かった。副作用について患者が回答したアンケートの回収をし
  ておりデータの信頼性が揺らぎかねない事態だ。

  ☆ノバルティスファーマ社は、降圧剤ディオバンの臨床研究でも元社員がデータ解析に関わったことが問題視され、
   昨年(2013年)7月に臨床研究に社員を関与させないとの再発防止策を示しました。しかし、再発防止策は守られ
   ず、社員による回収はその後も続いていたようです。

6)2014年1月16日(1)総合
  海自艦と衝突 釣り船転覆 広島沖 船長死亡一人重体
  15日午前8時ごろ、広島県大竹市の阿多田島沖の瀬戸内海で、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突し、
  釣り船が転覆した。船長と釣り仲間3人の男性計4人が海に投げ出され、おおすみと付近の作業船が救助したが、船
  長が死亡し、男性一人が意識不明の重体。残る二人にけがはなかった。

  ☆過去に海上自衛隊の潜水艦「なだしお」やイージス艦「あたご」の事故があり、再発防止策が講じられましたが、
   海上自衛隊の大型艦船と民間船の事故がまた繰り返されました。その後の関連報道と合わせて、別項で採り上げる
   予定です。


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.1.25)
                                           

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