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安全情報メモ13Safety information

13)バスタブ曲線からドリフト対応へ

 図1はバスタブ曲線(JIS Z 8115-1981「信頼性用語」)である。

図1.バスタブ曲線(JIS Z 8115-1981)
(出典:機械安全工学 基礎理論と国際規格)


 信頼度関数R(t)とはアイテムがある時間tにおいて、なお機能を果たしている確率である。信頼性工学でよく使われる分布には指数分布、ガンマ分布、ワイブル分布、正規分布、対数正規分布、二項分布、ポアソン分布等がある。ここではバスタブ曲線をワイブル分布で説明する。
 ワイブル分布とはW.Weibullが提唱した分布で信頼度関数などが次式のように表される。
    R(t)=exp[-{(t-γ)/η)}]    (t≧γ>0、m>0、η>0)
    f(t)=(m/η){(t-γ)/η}(m-1)exp[-{(t-γ)/η)}]
    λ(t)=(m/η){(t-γ)/η}(m-1)
 ここで、各パラメータ(母数)は、ηを尺度パラメータ、mを形状パラメータ、γを位置パラメータという。供用開始後、時間γが経過するまで故障が生じない場合には位置パラメータが有用であるが、通常はそのようなことはないので、γ=0として差支えない。
 mの値により、以下のとおり、バスタブ曲線に対応する。
1>m>0の場合、時間tの経過とともに故障率λ(t)が減少する。これは、バスタブ曲線の初期故障期間Aに該当する。
m=1の場合、時間tの経過に拘りなく故障率λ(t)は一定である。これは、バスタブ曲線の偶発故障期間Bに該当する
m>1の場合、時間tの経過とともに故障率λ(t)が増加する。これは、バスタブ曲線の摩耗故障期間Cに該当する。

 自然界に存在するすべてのものは劣化し、寿命に至る。寿命は確率変数であり、使用条件が同じであっても寿命はある分布を有しており、個々の機器の寿命を予め知ることはできない。これに対処する手段が信頼性工学である。
 しかし、寿命に至る過程をすべて信頼性工学で説明することはできない。数学の解として図1は間違っていないが、例えば、製造ラインにおいて発生している事故・トラブルの状況は必ずしもバスタブ曲線とおりではない。電子工学ではある原因によって電子回路の特性にゆっくりとした変化が生じることがある。これを「drift(ドリフト)」(漂流、漂泊、偏流の意味)と呼んでいるが、これは温度上昇による直流電圧の変化により生じる現象である。
 製造ラインにおいてもゆっくりとした変化(ドリフト現象)の後、異常が発生することがある。原因の特定は困難なことが多いが、このようなドリフト現象を捉え、対応することがトラブルの未然防止には必要となる。図2はドリフト現象への対応のフローを示したものである。
 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止のための方策を提案するとともにものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

図2.ドリフトへの対応

                                                (2013.5.21)
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