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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

安全情報メモ49Safety information

49)小型移動式クレーン(安全措置・装置)

 クレーン等安全規則にはクレーン等の安全措置が定められています。当該規則にはクレーン、移動式クレーン、エレベーター、デリック、建設用リフト及び簡易リフトが含まれています。ここでは移動式クレーンに規定されている安全措置並びに代表的な安全装置について紹介します。

1)巻過ぎの防止 

   フックが上限の高さまで接近するとスイッチを作動させ警報を発する巻過警報装置と自動停止する過巻防止装置に
   より巻過ぎを防止する。

  第65条 事業者は、移動式クレーンの巻過防止装置については、フツク、グラブバケツト等のつり具の上面又は当
     該つり具の巻上げ用シーブの上面とジブの先端のシーブその他当該上面が接触するおそれのある物(傾斜した
     ジブを除く。)の下面との間隔が0.25m以上(直働式の巻過防止装置にあつては、0.05m以上)となるよう
     に調整しておかなければならない。
2)安全弁の調整  
   
動力として用いる水圧又は油圧の過度の昇圧を防止し、油圧機器等を保護する安全弁(圧力制御弁)。
  第66条 事業者は、水圧又は油圧を動力として用いる移動式クレーンの当該水圧又は油圧の過度の昇圧を防止する
     ための安全弁については、最大の定格荷重に相当する荷重をかけたときの水圧又は油圧に相当する圧力以下で
     作用するように調整しておかなければならない。ただし、第62条の規定により荷重試験又は安定度試験を行
     なう場合において、これらの場合における水圧又は油圧に相当する圧力で作用するように調整するときは、こ
     の限りでない。
3)作業の方法等の決定等
  第66条の2 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの転倒等による労働者の危険を
     防止するため、あらかじめ、当該作業に係る場所の広さ、地形及び地質の状態、運搬しようとする荷の重量、
     使用する移動式クレーンの種類及び能力等を考慮して、次の事項を定めなければならない。
       一  移動式クレーンによる作業の方法
       二  移動式クレーンの転倒を防止するための方法
       三  移動式クレーンによる作業に係る労働者の配置及び指揮の系統
    2  事業者は、前項各号の事項を定めたときは、当該事項について、作業の開始前に、関係労働者に周知させ
     なければならない。
4)外れ止め装置の使用 

   玉掛け用ワイヤロープ等が、フックから外れることを防止するための装置。

  第66条の3 事業者は、移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは、外れ止め装置を使用しなければならない。
5)過負荷の制限
        
   機体が転倒したりジブが折損するおそれがあるため、ジブを有するクレーンでは定められた性能の範囲を超えて
   負荷されることを防止する過負荷防止装置があり、吊上げ荷重が3t以上の移動式クレーンには取付が義務付けられ
   ている。

  第69条 事業者は、移動式クレーンにその定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。
6)傾斜角の制限 

   ジブクレーン明細書に記載された傾斜角(つり上げ荷重3t未満のジブクレーンでは、製造者の指定した傾斜角)
   の遵守が義務つけられている。また、作業範囲制限装置にはジブの高さ制限や旋回を規制する機能などを有してい
   るものがある。

  第70条 事業者は、移動式クレーンについては、移動式クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角(つり上げ
     荷重が3t未満の移動式クレーンにあつては、これを製造した者が指定したジブの傾斜角)の範囲をこえて使用
     してはならない。
7)定格荷重の表示等 

   運転者および玉掛者が定格荷重を常時知ることができるように表示。

  第70条の2 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転者及び玉掛けをする者が
     当該移動式クレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない。
8)使用の禁止
  第70条の3 事業者は、地盤が軟弱であること、埋設物その他地下に存する工作物が損壊するおそれがあること等に
     より移動式クレーンが転倒するおそれのある場所においては、移動式クレーンを用いて作業を行つてはならな
     い。ただし、当該場所において、移動式クレーンの転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等が
     敷設され、その上に移動式クレーンを設置しているときは、この限りでない。
9)アウトリガーの位置
  第70条の4 事業者は、前条ただし書の場合において、アウトリガーを使用する移動式クレーンを用いて作業を行う
     ときは、当該アウトリガーを当該鉄板等の上で当該移動式クレーンが転倒するおそれのない位置に設置しなけ
     ればならない。
10)アウトリガーの張り出し
  第70条の5  事業者は、アウトリガーを有する移動式クレーン又は拡幅式のクローラを有する移動式クレーンを用
     いて作業を行うときは、当該アウトリガー又はクローラを最大限に張り出さなければならない。ただし、アウ
     トリガー又はクローラを最大限に張り出すことができない場合であつて、当該移動式クレーンに掛ける荷重が
     当該移動式クレーンのアウトリガー又はクローラの張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが確実に見込ま
     れるときは、この限りでない。
11)搭乗の制限 

   クレーンによる労働者の運搬、労働者をつり上げて作業させることの禁止。やむを得ず搭乗させる場合は、専用の
   墜落防止措置を講じた搭乗設備を設ける。

  第72条 事業者は、移動式クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。 
  第73条 事業者は、前条の規定にかかわらず、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合
     は、移動式クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。
    2 事業者は、前項のとう乗設備については、墜落による労働者の危険を防止するため次の事項を行なわなけれ
     ばならない。
      一  とう乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講ずること。
      二  労働者に安全帯等を使用させること。
      三  とう乗設備ととう乗者との総重量の1.3倍に相当する重量に500kgを加えた値が、当該移動式クレーン
         の定格荷重をこえないこと。
      四  とう乗設備を下降させるときは、動力下降の方法によること。
    3  労働者は、前項の場合において安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
12)立入禁止 

   ケーブルクレーンによる作業時の立入禁止措置、クレーン作業中の吊り荷の下の立入禁止措置。

  第74条 事業者は、移動式クレーンに係る作業を行うときは、当該移動式クレーンの上部旋回体と接触することに
     より労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。
  第74条の2 事業者は、移動式クレーンに係る作業を行う場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、つ
     り上げられている荷(第六号の場合にあつては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。
      一 ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      二 つりクランプ一個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      三 ワイヤロープ等を用いて一箇所に玉掛けをした荷がつり上げられているとき(当該荷に設けられた穴
        又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。)。
      四 複数の荷が一度につり上げられている場合であつて、当該複数の荷が結束され、箱に入れられる等に
        より固定されていないとき。
      五 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられていると
        き。
      六 動力下降以外の方法により荷又はつり具を下降させるとき。  
13)強風時の作業中止
  第74条の3 事業者は、強風のため、移動式クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業
     を中止しなければならない。
14)強風時における転倒の防止
  第74条の4 事業者は、前条の規定により作業を中止した場合であつて移動式クレーンが転倒するおそれのあるとき
     は、当該移動式クレーンのジブの位置を固定させる等により移動式クレーンの転倒による労働者の危険を防止
     するための措置を講じなければならない。
15)運転位置からの離脱の禁止
  第75条 事業者は、移動式クレーンの運転者を、荷をつつたままで、運転位置から離れさせてはならない。
    2 前項の運転者は、荷をつつたままで、運転位置を離れてはならない。
16)ジブの組立て等の作業
  第75条の2 事業者は、移動式クレーンのジブの組立て又は解体の作業を行うときは、次の措置を講じなければなら
     ない。
      一 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮の下に作業を実施させること。
      二 作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に
        表示すること。
      三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者
        を従事させないこと。
    2  事業者は、前項第一号の作業を指揮する者に、次の事項を行わせなければならない。
      一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。
      二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
      三 作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
17)特別の教育
  第67条 事業者は、つり上げ荷重が1t未満の移動式クレーンの運転(道路交通法 (昭和35年法律第105号)第2条
     第1項第1号 の道路上を走行させる運転を除く。)の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当
     該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
    2  前項の特別の教育は、次の科目について行わなければならない。
      一 移動式クレーンに関する知識
      二 原動機及び電気に関する知識
      三 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
      四 関係法令
      五 移動式クレーンの運転
      六 移動式クレーンの運転のための合図
    3  安衛則第37条 及び第38条 並びに前2項に定めるもののほか、第1項の特別の教育に関し必要な事項は、厚
     生労働大臣が定める。
18)就業制限
  第68条 事業者は、令第27条第七号 に掲げる業務については、移動式クレーン運転士免許を受けた者でなければ、
     当該業務に就かせてはならない。ただし、つり上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーン(以下「小型移動式
     クレーン」という。)の運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に
     就かせることができる。


移動式クレーンの構造は1996年2月1日に発出された基発第47号「クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について」により規定されています。その後、技術の進展に伴い、2003年9月2日に発出された基発第0902007号(「クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について」の一部改正について)により改正されています。

以下は、都道府県労働基準局長あての通達の一部を引用(和暦を西暦に変更、下線部追記)したものです。

   クレーンの構造規格(1995年労働省告示第134号)及び移動式クレーン構造規格(1995年労働省告示第 135号) 
  (以下、「新規格」という。)は、1995年12月26日に公布され、1996年2月1日から適用されることとなっている。
  今回の(1996年2月1日の基発第47号による)改正は、クレーン及び移動式クレーンに係る構造規格を当時の技術
  の進歩に対応させるとともに、ISO(国際標準化機構)及び諸外国のクレーン及び移動式クレーンの構造に関する規
  格との整合性の確保を図るため、従来の規格を全面的に見直したものであり、これによりクレーン及び移動式クレ
  ーンの安全確保等をより一層推進しようとするものである。これに伴い、従来のクレーン構造規格(1976年労働省
  告示第80号)及び移動式クレーン構造規格(1976年労働省告示第81号)(以下「旧規格」とい う。)は、廃止される。
   ー以下、省略ー

(参考資料)
 移動式クレーン構造規格
  労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第37条第2項及び第42条の規定に基づき、
  移動式クレーン構造規格を次のように定める。
   第1章 構造部分等
    第1節 材料(第1条−第2条)
    第2節 許容応力(第3条−第6条)
    第3節 荷重(第7条−第9条)
    第4節 強度(第10条−第12条)
    第5節 安定度(第13条−第16条)
   第2章 機械部分
    第1節 ブレーキ等(第17条−第19条)
    第2節 ドラム等(第20条−第23三条)
    第3節 安全装置等(第24条−第34条)
    第4節 操作部分等(第35条−第37条)
   第3章 加工(第38条−第40条)
   第4章 ワイヤロープ及びつりチェーン(第41条−第42条)
   第5章 雑則(第43条−第45条)
  附則 別表(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
  関連通達  
    平成8年2月1日 基発第47号  
    平成15年9月2日 基発第0902007号



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