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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

安全情報メモ52Safety information

52)労働災害(爆発)

「2012年9月29日に姫路市の株式会社日本触媒姫路製作所で発生したタンク爆発事故で、兵庫県警捜査一課は2014年1月28日、業務上過失致死傷容疑で、製造所の当時の副所長(55)ら5人を書類送検した」と昨日(1月29日)、マスコミ各紙は報じています。
 事故は、2012年9月29日(土)14時35分頃、姫路市の株式会社日本触媒姫路製造所のアクリル酸製造施設において、アクリル酸中間タンクの爆発・ 火災が発生し、消防隊員1人が死亡し、36人が負傷しました。
 報道によると、「送検された5人には爆発の危険性を予見しながら、事故防止の監督や安全対策を怠った過失がある」と捜査一課は判断したようです。
 日本触媒は、当該事故の原因究明と再発防止策の策定を目的に、2012年10月5日、社外委員4名、社内委員3名で構成される事故調査委員会を設置し、事故現場並びに提供された記録類、各種実験データや解析結果、証言等について検証を行い、原因究明と再発防止策についての議論を重ねました。その結果、2013年3月、「アクリル酸製造施設 爆発・火災事故調査報告書」として原因の解明並びに再発防止対策の提言がまとめられました。報告書は、1.序、2.事故の概要、3.発災事業所および発災設備の概要、4.事故の発生状況、5.事故原因の究明及び6.再発防止対策の提言まで全70頁で構成されています。詳細は(http://www.shokubai.co.jp/ja/news/file.cgi?file=file1_0111.pdf)で確認できます。

 ここでは、労働災害(爆発)について紹介します。

 2008〜2012年に発生した労働災害における死亡者数は次のとおりです。
    年度            2008年   2009年   2010年   2011年   2012年
    全産業死亡者数       1,268    1,075    1,195    1,024    1,093
    内、爆発による死亡者数     9      9       5      6      13
    製造業死亡者数        260    186     211     182     199
    内、爆発による死亡者数     7      8      2      4       6

 職場の安全サイト(http://anzeninfo.mhlw.go.jp/index.html)には安全に関わる各種のデータベースがあります。そして、災害事例として、労働災害事例、死亡災害データベース、労働災害(死傷)データベース、ヒヤリ・ハット事例、機械災害データベースが挙げられています。

 特に、労働災害事例では、2013.10.29現在、2329件の死亡災害や重大災害などの事例について、発生状況や発生原因、そして対策がイラスト付きで紹介されています。これらの事例は、業種、事故の型、起因物、キーワードを入力することにより検索し、詳細を確認することができます。

 そこで、業種を「製造業」、事故の型を「爆発」として、検索したところ、81件抽出されました。さらに、キーワードを「死亡災害」として、絞り込むと、以下のとおり、16件抽出できました。
@フレキシブルコンテナからトルエンを含んだ原料を乾燥タンクに投入中、爆発が発生
A建造中のバラ積み運搬船の船倉内で吹き付け塗装中に爆発し、作業者2人が死亡
B建築用古紙再生パルプ製造工場で発生した粉じん爆発
C焼酎原酒タンク上部蓋付近でアーク溶接作業中、タンク内のアルコール蒸気が発火爆発
D新造船の舵箱内壁の塗装後、舵箱開口部の閉塞板の溶接作業中、塗料溶剤の蒸気が爆発
Eアルミホイールの研磨作業中、付設の集じん装置が爆発
F産業廃棄物となった発泡ポリスチレンをフィンヒーターにより融解中、爆発
Gガス溶断作業中、廃油ピットの引火性蒸気が溶接火花により引火爆発
Hシリコーン製品の小分け作業中爆発
Iシリコン表面に膜を形成する装置の排気ダクト内に堆積した副生成物除去作業中に爆発
J木粉で製造する合板の工場で粉じん爆発
K穀物製品の製造工場で粉じん爆発
L全自動ドライ洗濯機内部で爆発が発生し、前にいた作業者が火傷により死亡
Mアセチレンガス半自動切断機に点火し、爆発
N船内で溶接中に爆発
Oマグネシウム・アルミニウム合金の粉じん爆発

 このように発生している労働災害を他人事としていないでしょうか。爆発は発生すると火災につながることが多く、また、死亡者が出たり、近隣地域へ影響を及ぼすことがあります。他人事とせず、労働災害を未然に防止するためには何をなすべきか。今一度、初心に戻って考えてみる必要があると思います。同じような事故があまりにも多く発生しているように感じるのは私一人ではないと思います。労働災害の未然防止のためには、例えば、法令で努力義務化されたリスクアセスメントの実施は有効と考えます。

 2006年4月から事業者には新たに「危険性又は有害性の特定、リスクの見積りおよびその結果に基づくリスク低減措置の実施」が法令上の努力義務とされています。

 近年、労働災害の原因が多様化し、その把握が困難になっています。これは生産工程に導入された機械設備などが高度化され、複雑になってきたことが原因と思われます。このような状況において事業者は事業場の安全衛生水準の向上を図らなければなりません。即ち、リスクアセスメントの実施は”安全第一(Safety first)”の企業文化を醸成し、事業場の安全衛生水準を向上させるために課せられた法令上の努力義務なのです


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.1.30)
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