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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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安全情報メモ54Safety information

54)床上操作式クレーン(用語・種類)

 床上操作式クレーンとは、「床上で運転し、かつ、当該運転する者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン」をいいます。例えば、天井クレーンの場合、ホイスト等に直接押しボタンスイッチを吊下げ、走行と横行のいずれにおいても、荷の移動と一緒に操作者も移動しなければならない方式をさしています。
 しかし、メッセンジャーワイヤやガータを利用して押しボタンスイッチを吊下げる方式では、横行時には荷の移動に関係なく定位置操作でき、走行時のみ操作者が移動します。このようなクレーンは、吊上げ荷重が5t以上であれば、次項の表1に示すとおり、クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定含む)または、床上運転式に限定したクレーン・デリック運転士免許が必要です。
 表1に示すとおり、使用するクレーン等のつり上げ荷重(質量)に応じて法令で定める資格を有する者でなければ当該業
務を行ってはならないと定められています。つり上げ荷重が5t以上のクレーンの運転に必要な資格にはいろいろありますが、床上操作式クレーンに限定するのであれば、床上操作式クレーン運転技能講習を修了することにより運転が可能になります。

表1.クレーン等運転者の資格
(出典:労働安全衛生法施行令、クレーン等安全規則)

表2.床上操作式クレーン等の種類
(出典:クレーン等安全規則の別表に主な床上操作式クレーンの種類を赤字で追記しています。)

 床上操作式クレーン等に関係する法令で用いられている名称は表1〜2に規定されているものです。ここでは、代表的な用語のいくつかを紹介します。
1)クレーン
   クレーン等安全規則(基発第602号含む)における、クレーンとは、 荷を動力を用いてつり上げ、これを水平に
  運搬することを目的とする機械装置のうち、移動式クレーンおよびデリック以外のものと定められています。
  従って、荷のつり上げのみを行う機械装置はクレーンではなく、また、荷のつり上げを人力で行う機械装置は、荷の
  水平移動は動力で行ってもクレーンには含まれません。反対に荷のつり上げを動力で行うならば、たとえ荷の水平移
  動は人力で行ってもクレーンに含まれます。
2)移動式クレーン
   労働安全衛生法施行令第1条第8号における、移動式クレーンとは、原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動
  させることができるクレーンをいいます。
3)デリック
   クレーン等安全規則(基発第602号含む)における、デリックとは,荷を動力を用いてつり上げることを目的とす
  る機械装置であって、マストまたはブームを有し、原動機を別置し、ワイヤロープにより操作されるものと定められ
  ています。デリックには揚貨装置は含みません。
4)揚貨装置
   揚貨装置は、船舶に取り付けられた港湾荷役作業に用いる機械装置のことで、陸から船へあるいは船から陸へ積載
  貨物の積み替えに使用します。なお、港湾側に設置・配置されたものは同様の作業を行う機械装置であっても、揚貨
  装置には含まれません。
5)巻上げ・下げ、ジブの起伏(上げ・下げ)伸縮(伸長・縮小)、旋回
   クレーン等は荷をつり上げ、目的の位置に運搬するため、このような運動をいくつか組み合わせた動きをします。
6)ジブ
   移動式クレーンの上部旋回体の一端を支点とした腕をいいます。形状により箱型構造やラチス構造ジブとよばれて
  います。小型移動式クレーンは殆どが箱型構造ジブです。
7)ジブの長さ・傾斜角・作業半径
   ジブの長さ :フートピンの中心からジブポイントまでの距離
   ジブの傾斜角:ジブ基準線と水平面のなす角度
   作業半径  :旋回中心からフックの中心を通る鉛直線までの水平距離
   作業範囲  :クレーン等による横行、走行、起伏、旋回、伸縮などの様々な運動を組合せて、つり荷を移動させ
          ることができる範囲
8)つり上げ荷重
   労働安全衛生法施行令第10条第1項におけるつり上げ荷重とは、クレーン(移動式クレーンを除く。)、移動式ク
  レーン又はデリックの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいうと定められています。
9)定格荷重
   クレーン等安全規則第1条第6項における定格荷重とは、クレーン(移動式クレーンを除く。)でジブを有しない
  もの又はデリツクで ブームを有しないものにあつては、つり上げ荷重から、クレーンでジブを有するもの(以下 
  「ジブクレーン」という。)、移動式クレーン又はデリツクでブームを有するものにあつては、その構造及び 材料
  並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さ又はジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最
  大の荷重から、それぞれフツク、グラブバケツト等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいうと定められ
  ています。
10)定格総荷重
   定格総荷重とは、移動式クレーンの構造及び材料ならびにジブの傾斜角及びジブ長さに応じて負荷させることがで
  きる最大の荷重に、フック、グラブバケット等のつり具の重量を含んだ荷重をいいます。移動式クレーンではフック
  を取り換えて使用することが多く、フックの取り換えにより、定格荷重が異なってくるため、フック等のつり具の重
  量を加えた定格総荷重で表示するのが一般的です。定格総荷重表が作成されています。
11)制限荷重
   制限荷重とは、揚貨装置の構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重をいいます。この荷重にはフ
  ック、グラブバケツト等のつり具の重量が含まれています。
12)空車時定格総荷重
   積載型トラッククレーンのみに使用される用語。トラックの荷台に積み荷がない状態における安定度やジブ等の強
  度に基いて決められています。
13)定格速度
   クレーン等安全規則第1条第7項における定格速度とは、クレーン、移動式クレーン又はデリツクにあつては、こ
  れに定格荷重に相当する荷重の荷をつつて、つり上げ、走行、旋回、トロリの横行等の作動を行なう場合のそれぞれ
  の最高の速度を、エレベーター、建設用リフト又は簡易リフトにあつては、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をの
  せて上昇させる場合の最高の速度をいうと定められています。
14) スパン
   走行レール中心間の水平距離をいいます。 
15)揚程(リフト)
   揚程とは、ジブ長さや傾斜角に応じて、フック、グラブバケット等のつり具を有効に上下させる上限と下限との間
  の距離をいいます。
16) 寄り
   フックの横行停止位置と走行レール中心間の水平距離をいいます。
17) 上がり
   揚程の上端から走行レールの車輪踏み面までの垂直距離をいいます。
18) アウトリーチ
   フックの最外側位置と走行レール中心間の水平距離をいいます。
19) ホイールベース
   同一レール上にある車輪の中心距離をいいます。
20) 最大/最小旋回半径
   旋回半径の最大値/最小値をいいます。
21) 電動機定格
   連続定格:一定の負荷のもとで連続運転できる
   短時間定格:温度上昇限度を超過せず支障なく運転できる(例えば、30分定格と表示)
   反復定格:負荷時間率として%EDと表示する(10分間に電動機に通電させてよい時間率)
22) 作業半径
   ジブクレーンの旋回中心と吊り具の中心との水平距離をいいます。
23) 安定度
   ジブクレーン等が転倒しない度合、通常次式で求められる。
   安定度=安定モーメント/転倒モーメント
  (安定度試験:定格荷重の1.27倍に相当する荷重の荷を吊り、最も不利な条件で地切りすることによって行う。)
24)地切り
   地切りとは、クレーン等の巻き上げ操作によって、つり荷を地面から離すことをいいます。 玉掛け作業では、地
  切り後に巻き上げを一旦停止し、 つり荷や玉掛けの状態を確認しなければなりません。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2014.2.16)                                            安全情報メモ一覧へ戻る

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