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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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安全情報メモ56Safety information

56)床上操作式クレーン(安全措置・装置)

 クレーン等安全規則にはクレーン等の安全措置が定められています。当該規則にはクレーン、移動式クレーン、エレベーター、デリック、建設用リフト及び簡易リフトが含まれています。  
 そして、表1に示すとおり、使用するクレーン等のつり上げ荷重(質量)に応じて法令で定める資格を有する者でなけれ
ば当該業務を行ってはならないと定められています。
 本項の「床上操作式クレーン」とは
「床上で運転し、かつ、当該運転する者が荷の移動とともに移動する方式のクレーン」をいいます。例えば、天井クレーンの場合、ホイスト等に直接押しボタンスイッチを吊下げ、走行と横行のいずれにおいても、荷の移動と一緒に操作者も移動しなければならない方式をさしています。
 しかし、メッセンジャーワイヤやガータを利用して押しボタンスイッチを吊下げる方式では、横行時には荷の移動に関係なく定位置操作でき、走行時のみ操作者が移動します。このようなクレーンは、吊上げ荷重が5t以上であれば、次項の表1に示すとおり、クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定含む)または、床上運転式に限定したクレーン・デリック運転士免許が必要になります。

表1.クレーン等運転者の資格
(出典:労働安全衛生法施行令、クレーン等安全規則)

 
 ここではクレーン等安全規則の第2章「クレーン」に規定されている安全措置並びに代表的な安全装置について紹介します。

1)巻過ぎの防止 

   フックが上限の高さまで接近するとスイッチを作動させ警報を発する巻過警報装置と自動停止する過巻防止装置に
   より巻過ぎを防止する。

  第18条 事業者は、クレーンの巻過防止装置については、フツク、グラブバケツト等のつり具の上面又は当該つり
     具の巻上げ用シーブの上面とドラム、シーブ、トロリフレームその他当該上面が接触するおそれのある物(傾
     斜したジブを除く。)の下面との間隔が0.25m以上(直働式の巻過防止装置にあつては、0.05m以上)とな
     るように調整しておかなければならない。
  第19条 事業者は、巻過防止装置を具備しないクレーンについては、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、
     警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープの巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなけ
     ればならない。
2)安全弁の調整  
   
動力として用いる水圧又は油圧の過度の昇圧を防止し、油圧機器等を保護する安全弁(圧力制御弁)。
  第20条 事業者は、水圧又は油圧を動力として用いるクレーンの当該水圧又は油圧の過度の昇圧を防止するための
     安全弁については、定格荷重(ジブクレーンにあっては、最大の定格荷重)に相当する荷重をかけたときの水
     圧又は油圧に相当する圧力以下で作用するように調整しておかなければならない。ただし、第23条第2項の規
     定により定格荷重をこえる荷重をかける場合または第12条の規定により荷重試験若しくは安定度試験を行な
     う場合において、これらの場合における水圧又は油圧に相当する圧力で作用するように調整するときは、この
     限りでない。
3)外れ止め装置の使用 

   玉掛け用ワイヤロープ等が、フックから外れることを防止するための装置。

  第20条の2 事業者は、玉掛け用ワイヤーロープ等がフックから外れることを防止するための装置(以下「外れ止め
     装置」という、)を具備するクレーンを用いて荷をつり上げるときは、当該外れ止め装置を使用しなければな
     らない。
4)過負荷の制限
        
   機体が転倒したりジブが折損するおそれがあるため、ジブを有するクレーンでは定められた性能の範囲を超えて
   負荷されることを防止する過負荷防止装置があり、吊上げ荷重が3t以上の移動式クレーンには取付が義務付けられ
   ている。

  第23条 事業者は、クレーンにその定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。
    2 前項の規定にかかわらず、事業者は、やむを得ない事由により同項の規定によることが著しく困難な場合に
     おいて、次の措置を講ずるときは、定格荷重をこえ、第六条第三項に規定する荷重試験でかけた荷重まで荷重
     をかけて使用することができる。
      一  あらかじめ、クレーン特例報告書(様式第十号)を所轄労働基準監督署長に提出すること。
      二  あらかじめ、第六条第三項に規定する荷重試験を行ない、異常がないことを確認すること。
      三  作業を指揮する者を指名して、その者の直接の指揮のもとに作動させること。
    3 事業者は、前項第二号の規定により荷重試験を行なつたとき、及びクレーンに定格荷重をこえる荷重をかけ
     て使用したときは、その結果を記録し、これを三年間保存しなければならない。
5)傾斜角の制限 

   ジブクレーン明細書に記載された傾斜角(つり上げ荷重3t未満のジブクレーンでは、製造者の指定した傾斜角)
   の遵守が義務つけられている。また、作業範囲制限装置にはジブの高さ制限や旋回を規制する機能などを有してい
   るものがある。

  第24条 事業者は、ジブクレーンについては、クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角(つり上げ荷重が
     3t未満のジブクレーンにあつては、これを製造した者が指定したジブの傾斜角)の範囲をこえて使用してはな
     らない。
6)定格荷重の表示等 

   運転者および玉掛者が定格荷重を常時知ることができるように表示。

  第24条の2 事業者は、クレーンを用いて作業を行うときは、クレーンの運転者及び玉掛けをする者が当該クレーン
     の定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない。
7)運転禁止等
  第30条の2 事業者は、天井クレーンのクレーンガーダの上又は橋形クレーンのクレーンガーダ、カンチレバ若しく
     は脚の上において当該天井クレーン若しくは橋形クレーン(以下この条において「天井クレーン等」という)
     又は当該天井クレーン等に近接する建物、機械、設備等の点検、補修、塗装等の作業(以下この条において
     「天井クレーン等の点検等の作業」という。)を行うときは、天井クレーン等が不意に起動することによる労
     働者の墜落、挟まれ等の危険を防止するため、当該天井クレーン等の運転を禁止するとともに、当該天井クレ
     ーン等の操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければならない。ただし、天井クレーン等の点検等の作業
     を指揮する者を定め、その者に天井クレーン等の点検等の作業を指揮させ、かつ、天井クレーン等のクレーン
     ガーダ、カンチレバ又は脚の上において天井クレーン等の点検等の作業に従事する労働者と当該天井クレーン
     等を運転する者との間の連絡及び合図の方法を定め、当該方法により連絡及び合図を行わせるときは、この限
     りでない。
8)搭乗の制限 

   クレーンによる労働者の運搬、労働者をつり上げて作業させることの禁止。やむを得ず搭乗させる場合は、専用の
   墜落防止措置を講じた搭乗設備を設ける。

  第26条 事業者は、クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。 
  第27条 事業者は、前条の規定にかかわらず、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合
     は、クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。
    2 事業者は、前項のとう乗設備については、墜落による労働者の危険を防止するため次の事項を行なわなけれ
     ばならない。
      一  とう乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講ずること。
      二  労働者に安全帯(令第13条第3項第28号 の安全帯をいう。)その他の命綱(以下「安全帯等」とい
        う。)を使用させること。
      三  とう乗設備を下降させるときは、動力下降の方法によること。
    3  労働者は、前項の場合において安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
9)立入禁止 

   ケーブルクレーンによる作業時の立入禁止措置、クレーン作業中の吊り荷の下の立入禁止措置。

  第28条 事業者は、ケーブルクレーンを用いて作業を行なうときは、巻上げ用ワイヤロープ若しくは横行用ワイヤ
     ロープが通つているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しく
     はその取付具が飛来することによる労働者の危険を防止するため、当該ワイヤロープの内角側で、当該危険を
     生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。
  第29条 事業者は、クレーンに係る作業を行う場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、つり上げら
     れている荷(第六号の場合にあつては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。
      一 ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      二 つりクランプ一個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      三 ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ又は繊維ベルト(以下第115条までにおいて「ワイヤロープ
        等」という。)を用いて一箇所に玉掛けをした荷がつり上げられているとき(当該荷に設けられた穴又
        はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。)。
      四 複数の荷が一度につり上げられている場合であつて、当該複数の荷が結束され、箱に入れられる等に
        より固定されていないとき。
      五 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられていると
        き。
      六 動力下降以外の方法により荷又はつり具を下降させるとき。  
10)暴風時における逸走の防止
  第31条 事業者は、瞬間風速が毎秒31mをこえる風が吹くおそれのあるときは、屋外に設置されている走行クレー
     ンについて、逸走防止装置を作用させる等その逸走を防止するための措置を講じなければならない。
11)強風時の作業中止
  第31条の2 事業者は、強風のため、クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止
     しなければならない。
12)強風時における損壊の防止
  第31条の3 事業者は、前条の規定により作業を中止した場合であつてジブクレーンのジブが損壊するおそれのある
     ときは、当該ジブの位置を固定させる等によりジブの損壊による労働者の危険を防止するための措置を講じな
     ければならない。

(参考資料)
クレーン構造規格
   労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第37条第2項及び第42条の規定に基づき、
 クレーン構造規格を次のように定める。
  第1章 構造部分等
   第1節 材料(第1条・第2条)
   第2節 許容応力(第3条−第7条)
   第3節 荷重(第8条−第10条)
   第4節 強度(第11条−第14条)
   第5節 安定度(第15条)
   第6節 控え(第16条)
  第2章 機械部分
   第1節 ブレーキ(第17条−第19条)
   第2節 ドラム等(第20条−第23条)
   第3節 安全装置等(第24条−第33条の2)
   第4節 電気機器等(第34条−第38条)
  第3章 附属部分
   第1節 緩衝装置等(第39条・第40条)
   第2節 逸走防止装置等(第41条・第42条)
   第3節 歩道等(第43条−第46条)
   第4節 運転室及び運転台(第47条−第49条)
  第4章 加工(第50条−第53条)
  第5章 ワイヤロープ等(第54条−第55条の2)
  第6章 雑則(第56条−第57条)
  附則 別表第1(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
     別表第2
     別表第3
     別表第4
  関連通達  
    1996年2月1日 基発第47号  
    1999年9月30日 基発第567号  
    2001年3月30日 基発第278号  
    2003年9月2日 基発第0902007号 

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