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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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トピックス詳細17Topics detail

17)倫理(1)・規程いろいろ

最近、「○○倫理」という言葉をよく見たり聞いたりします。例えば、公務員倫理、生命倫理、企業倫理、技術者倫理、職業倫理、医療倫理などがあります。

 広辞苑によると、倫理とは「@人倫のみち。実際道徳の規範となる原理。道徳。A倫理学の略。」とあります。また、道徳とは「@人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、或いは成員相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的な原理。今日では、自然や文化財や技術品など、事物に対する人間の在るべき態度もこれに含まれる。A老子の説いた恬淡虚無の学。もっぱら道と徳とを説くからいう。B小・中学校における指導の領域の一つ。」と記されています。

 倫理とモラル(道徳)を次のように区別することもあるようです。倫理(ethics)とは、例えば、所属している組織(家族、職場も含む)において倫理規定や倫理綱領、指針などのように成文化できるもの。モラル(道徳)(moralと)は、道徳教育などにより人として守るべき道として身につけているもの。

 近年、原子力、医療、食品など様々な分野において発生した事故が大きな社会問題になっています。技術的に未知なものであれば止むを得ない面もありますが、これらの事故や品質トラブルの中には、不注意や、ポカミスのようなものだけではなく、明らかにモラルの欠如と思われる人の行動による犯罪若しくは犯罪まがいのものが含まれています。
 このような事故・品質トラブルの未然防止や品質の向上は「人質(介在する人間の質)」の向上無くして実現できないと考えます。「人質」は究極的にはその人の倫理観や道徳観であり、各人の自覚に待つほかないのですが、「人質」の向上には安心して生きていける環境が必要になると考えます。

 社会生活を営む限り、人は家族や地域、職場など、何れかの組織に属しています。そして、個人の行動は組織の行動として社会に影響を及ぼします。そこで、組織は、構成員としての個人の行動が人として社会から受け入れられるための規範の成文化が必要になってきます。規範の成文化は組織の生命線です。善悪の判断を誤ることなく、ゆめゆめ「これくらいはどこでもやっていることだ」といった考えを盛り込んだ規範を作成しないよう注意しなければなりません。

ここでは、倫理に関する規程などをいくつか紹介します。
1)国家公務員倫理法(平成11年8月13日法律第129号)
  国家公務員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることについて規定した法律で、全6章と附則か
 らなり、第2章に国家公務員倫理規程が定められています。
2)技術士倫理綱領 (管理番号:IPEJ 02-1-2011)
  昭和36年3月14日理事会制定 平成11年3月 9日理事会変更承認 平成23年3月17日理事会変更承認
  前文には、「技術士は、科学技術が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して持続
 可能な社会の実現に貢献する。技術士は、その使命を全うするため、技術士としての品位の向上に努め、技術の研鑚に
 励み、国際的な視野に立ってこの倫理綱領を遵守し、公正・誠実に行動する。」と記載されています。技術士倫理綱領
 は、この前文と10項の基本綱領から構成されています。
3)日本機械学会倫理規定
  1999年12月14日 評議員会承認 2007年12月11日 評議員会改訂承認 2013年1月16日 理事会一部変更承認
  前文には、「 本会会員は,真理の探究と技術の革新に挑戦し,新しい価値を創造することによって,文明と文化の
 発展および人類の安全、健康、福祉に貢献することを使命とする。また、科学技術が地球環境と人類社会に重大な影響
 を与えることを認識し、技術専門職として職務を遂行するにあたって、自らの良心と良識に従う自律ある行動が、科学
 技術の発展と人類の福祉にとって不可欠であることを自覚し、社会からの信頼と尊敬を得るために、以下に定める倫理
 綱領を遵守することを誓う。日本機械学会倫理規定はこの前文と12の綱領からなっています。
4)日本品質管理学会会員の倫理的行動のための指針
  平成16年10月30日制定
  指針制定の趣旨には、目的として、「日本品質管理学会会員(以下会員という)は、品質管理専門家としての行動が
 社会に与える影響に鑑み、社会からの期待並びに社会的責任を強く自覚しなければならない。会員の適正な行動実践の
 ために、特に遵守すべき点を本指針として定める。」と記載されています。倫理的行動のための指針はこの制定の趣旨
 と倫理条項からなり、倫理条項は本文(ア〜カ)と細則((1)情報発信に関して、(2)専門職として、(3)個人として)
 で構成されています。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.2.26)