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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

トピックス詳細14Topics detail

14-2)広島沖衝突(海自艦×民間船)/海上自衛隊・内部調査結果発表

 平成26年1月15日、広島県大竹市阿多田島東方沖で発生した輸送艦おおすみとプレジャーボートとびうお衝突事故に関する運輸安全委員会の報告書が平成27年2月9日に公表されました。公表資料は船舶事故調査報告書(全50頁)と説明資料(全11頁)の二つで、運輸安全委員会のホームページ(http://www.mlit.go.jp/jtsb/)に掲載されています。
 報告書では、事故原因は「プレジャーボートが輸送艦の前を横切ろうとした際に衝突した可能性が高い」と結論付けると共に「輸送艦は減速して進路変更したにもかかわらず、衝突を避けられなかったが、早い段階で減速して距離を取ったり、信号で注意喚起したりすれば、事故を回避できた可能性があった」と指摘しています。
 
 事故発生から二年経った平成28年2月6日の徳島新聞(29)社会は、次のように報じています。
   
海上自衛隊は5日、広島県沖で2014年1月に輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突し、釣り船の船長ら二人が死亡し
  た事故について「おおすみ側に原因は認められなかった」とする内部調査結果を、呉地方総監部(広島県呉市)で発  表した。釣り船が輸送艦の前を横切ろうとした際に衝突した可能性が高いとした2015年2月の運輸安全委員会の調査
  報告書をもとに、乗組員に聞き取りし「繰り返し減速したが、釣り船が急に針路を変更し、回避できなかった」と結
  論づけた。


 広島海上保安部は2014年6月、双方見張り不十分として業務上過失致死傷などの疑いで当時のおおすみ艦長ら二人を書類送検しましたが、広島地検は2015年12月、「衝突の回避は不可能」などとして不起訴処分としています。

 このような事故が、何故、繰り返されるのでしょうか。過去に発生した事故の再発防止策において、何かが足りなかったのは間違いありません。
 今回の場合、運輸安全委員会の報告書は「早い段階で減速して距離を取ったり、信号で注意喚起したりすれば、事故を回避できた可能性があった」と指摘しています。この指摘を前向きに受け止め、再発防止に真摯に取り組まなければならないと考えます。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2016.2.12)
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14-1)広島沖衝突(海自艦×民間船)

 昨年(平成26年1月15日)、広島県大竹市阿多田島東方沖で発生した輸送艦おおすみとプレジャーボートとびうお衝突事故に関する運輸安全委員会の報告書が先日(平成27年2月9日)公表されました。公表資料は船舶事故調査報告書(全50頁)と説明資料(全11頁)の二つで、運輸委員会のホームページ(http://www.mlit.go.jp/jtsb/)に掲載されています。
 報告書では、事故原因は「プレジャーボートが輸送艦の前を横切ろうとした際に衝突した可能性が高い」と結論付けると共に「輸送艦は減速して進路変更したにもかかわらず、衝突を避けられなかったが、早い段階で減速して距離を取ったり、信号で注意喚起したりすれば、事故を回避できた可能性があった」と指摘しています。
 これらの資料において、推定航行経路図、事故原因並びに再発防止策は以下のとおり記載されています。なお、A船は輸送艦、B船はプレジャーボートを指しています。
  事故原因について
   
事故は、阿多田島東方沖において、A船が南進中、B船が南南西進中、A船が針路及び速力を保持して航行し、
   また、B船がA船の左舷前方から右に転針してA船の船首至近に接近したため、A船が回避しようとして減速及び
   右転したところ、更に両船が接近して衝突したことにより発生したものと考えられる。

  再発防止策について
   
A船は、180°に変針した後、B船と衝突のおそれがないものの、距離が徐々に近づく状況であったことから、
   B船との距離を広げるための減速が指示されていたが、衝突に至ったものと考えられ、より早い段階での減速、よ
   り大幅な減速を行うなど、海上自衛隊通知文書に基づき、小型船との接近に対応し得る余裕のある航行をするか、
   航行指針に基づき、衝突予防の見地から注意喚起信号を活用していれば、本事故の発生を回避できた可能性がある
   と考えられる。
   したがって、小型の船舶は、大型の船舶が自船と比較して減速や停止に時間や距離を要する等の特性があることを
   踏まえ、その動静を適切に監視するとともに、大型の船舶の至近を通過しないこと、また、大型の船舶は、接近す
   る小型の船舶に対し、その動静を適切に監視するとともに、自船の操縦性能を踏まえ、適切な時機に注意を喚起す
   る信号等の措置をとることが必要である。

 
 プレジャーボートは針路変更しなければ輸送艦の前方約60mを通過する針路であったと推定しています。しかし、船長が死亡しており、衝突の約20分前と衝突直前に行われた針路変更の意図は不明です。

図1.推定航行経路図
(出典:運輸安全委員会 http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/
       rep-acci/2015/MA2015-2-1_2014tk0001.pdf)
      

 





















 このような事故が、何故、繰り返されるのでしょうか。過去に発生した事故の再発防止策において、何かが足りなかったのは間違いありません。
 今回の場合、報告書は「早い段階で減速して距離を取ったり、信号で注意喚起したりすれば、事故を回避できた可能性があった」と指摘しています。この指摘を前向きに受け止め、再発防止に真摯に取り組まなければならないと考えます。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2015.2.16)
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14)衝突事故未然防止策は?(海自艦×民間船)

「2014年1月15日午前8時頃、広島県大竹市の阿多田島沖の瀬戸内海で、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」と釣り船が

図1.海自艦と民間船の事故現場

(出所:2014年1月16日、徳島新聞(1)総合)
衝突し、釣り船が転覆した。船長と釣り仲間3人の男性計4人が海に投げ
出され、おおすみと付近の作業船が救助したが、船長が死亡し、男性一
人が意識不明の重体。残る二人にけがはなかった。」と1月16日の徳島
新聞は報じています。

過去にも、次のような海自艦と民間船の衝突事故が発生しています。

1)1998年7月23日、神奈川県横須賀沖で発生した潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」の衝突事故。
 この事故では遊漁船の乗客ら48人中、30人が死亡しました。海難審判や刑事裁判が行われ、横浜地裁において「なだしお」に主因があるが、第一富士丸にも回避行動の遅れがあったとする判決が出されました。

2)2008年2月19日、千葉県沖で発生したイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故。
 この事故では漁船の父子二人が行方不明になりました。また、回避義務については海難審判では「あたご」、刑事裁判では「清徳丸」と判断が分かれました。最終的には東京高裁において当直下士官二名に対し、無罪判決が出されました。


今回の事故に関する続報として徳島新聞の記事を紹介します。

1)2014年1月18日(29)社会
  
海自艦に回避義務か 衝突事故 生存者「追突された」
  生存者、「真っすぐ進んでいたら、後ろにいたおおすみが加速し、右舷に追突するような形でぶつかってきた」と
  証言。
2)2014年1月19日(35)社会
  
海自艦衝突「釣り船がぶつけた」陸上から目撃の男性 証言食い違う
  事故直前の両船の動きを現場近くの島から目撃した男性が18日、「釣り船がぶつかっていったように見えた」と
  証言。

 次に、2014年1月17日に行われた太田国土交通大臣の会見要旨の中に、今回の事故に関する質疑応答が記載(国土交通省ホームページ)されていましたので、紹介します。
    (問)広島県沖での海上自衛隊の輸送艦と釣り船との衝突事故について、海上保安庁で調査をしておられるかと
       思いますが、今の時点で把握していること、この案件についての大臣の受け止めを教えてください。
    (答)まず、この件については、亡くなられた方にお悔やみを申し上げたいと思います。 その上で、これがど
       ういう形で衝突に至ったかということについて、海上保安庁第六管区海上保安本部広島海上保安部におい
       て、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」及び小型船の「とびうお」の関係者からの事情聴取、そして両船の
       見聞等鋭意調査を今行っている途上でございまして、現在捜査中でありますと言う以上のことを御報告す
       る段階にございません。
    (問)官房長官が詳細は海上保安庁に聞いて欲しいと昨日も仰っていますが、発生当時の様子がなかなか今分か
       らない状況で、国民も特に自衛隊の船との接触ということで、自衛隊に対する不安というのが高まってい
       ると思いますが、その辺りをもう少し当時の状況というものを明らかにして頂くことは出来ないでしょう
       か。
    (答)現段階では、捜査中であるという以上のことについては、予見を与えるといけませんので、控えさせて頂
       きたいと思います。

 このような事故が、何故、繰り返されるのでしょうか。過去に発生した事故の再発防止対策において、何かが足りないから発生したのは間違いありません。徹底した調査が求められます

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.1.28)
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