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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

トピックス詳細18Topics detail

18)倫理(2)・意志決定

 近年、原子力、医療、食品など様々な分野において発生した事故が大きな社会問題になっています。技術的に未知なものであれば止むを得ない面もありますが、これらの事故や品質トラブルの中には、不注意や、ポカミスのようなものだけではなく、明らかにモラルの欠如と思われる人の行動による犯罪若しくは犯罪まがいのものが含まれています。
 このような事故・品質トラブルの未然防止や品質の向上は「人質(介在する人間の質)」の向上無くして実現できないと考えます。「人質」は究極的にはその人の倫理観や道徳観であり、各人の自覚に待つほかないのですが、「人質」の向上には安心して生きていける環境が必要になると考えます。
  (参考)
   広辞苑によると、倫理とは「@人倫のみち。実際道徳の規範となる原理。道徳。A倫理学の略。」とあります。
   また、道徳とは「@人のふみ行うべき道。ある社会で、その成員の社会に対する、或いは成員相互間の行為の善悪
   を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の
   内面的な原理。今日では、自然や文化財や技術品など、事物に対する人間の在るべき態度もこれに含まれる。A老
   子の説いた恬淡虚無の学。もっぱら道と徳とを説くからいう。B小・中学校における指導の領域の一つ。」と記さ
   れています。


 スペースシャトル・チャレンジャー号の事故は1986年1月28日に発生しました。この痛ましい事故は技術者倫理を問う最も有名な事例となっています。この事故を調査するため13名で構成された「スペースシャトル・チャレンジャー号事故調査大統領委員会」(通称,ロジャース委員会)により発表された報告書(Rogers Commission report (1986年))において、事故原因は接合部を密閉するOリングの不具合と結論付けると同時に、チャレンジャー号の打ち上げを決行するに至った意志決定過程にも重大な瑕疵があったとして強く批判しています。

 ところで、ものづくりの現場においても日々何らかの意志決定が行われています。ものづくりにおける品質は、不良品を入れない(原材料に関する)、不良品を作らない(製造に関する)、不良品を出さない(出荷に関する)ことにより獲得できます。そして、発生した事故や品質トラブルについては、隠さない、嘘をつかない、辻褄合わせをしない姿勢を貫くことにより再発防止を実現することが可能となります。これらの全てに人が介在し、何らかの意思決定が行われているのです。

 一方、作業や操作におけるヒューマンエラーの発生頻度や疲労との関係などに関する研究は、心理学や人間工学の分野で始まり、その研究成果はものづくりの現場にも応用されました。そして、ものづくりのための装置やシステムが複雑になり高度に自動化されてくると、装置やシステムと人(ヒューマン)との役割分担や協調作業を考慮しなければならなくなりました。例えば、目視検査から自動検査に移行する場合、目視検査員は自動検査装置オペレータとなるため、その役割(検査と操作)を協調させる必要が生じます。

 航空機が衝突するかもしれないという緊急事態に遭遇したとき、衝突回避システムにおける自動回避と手動回避の何れの操作を選択すべきかパイロットには重い決断が課せられています。装置やシステムの判断をどこまで信頼するのか、人との役割分担には解決すべき多くの問題があるようです。特に、製造物責任法施行後、設計者はフールプルーフやフェイルセーフの手法を盛んに用いるようになりました。エラーをしても安全側に作用し、重大な事故にならないよう配慮した設計をしなければ、その製品は使用者には受け入れられないからです。

 このように技術の進歩につれて装置やシステムの信頼性も向上しているはずなのですが、相変わらず、事故や品質トラブルは跡を絶ちません。過去に発生した大きな事故や品質トラブルについては各種のデータベースにより原因の調査結果や再発防止対策等が公表されています。そして、これらを基に、共通する事故や品質トラブルの発生要因など、各種の分析が行われています。
 日本品質管理学会発行の「人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止のための方法論の体系化」においても、様々な事故・品質トラブルに関わる未然防止の方法論が整理されています。そして、「人の問題」についても考察がなされています。ここでは、項目のみ(p.5〜7)紹介します。
  3-1.心理学的アプローチ    
  3-2.行動・意思決定アプローチ  
  (1)規準・標準の継続的緩和   
  (2)危機認識の喪失。  
  (3)管理システム導入の形骸化  
  3-3.危機対応  

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.2.28)
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