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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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23-3)改むるに憚ることなかれ(化血研の場合)

 孔子は、人の上に立って政治を行う者の心掛けるべきことを次のように述べています。
 そして、「過ちを犯した場合には、ぐずぐずせず、すぐに改める」、このことは政治家に限ることなく、人として心掛けるべきことと考えます。

 
子 曰、「君 子 不重 則 不 威 。學 則 不固 。主忠 信。無己 者。過 則 勿改 。」    
                                      (論語・学而編)

子曰く、
 「君子重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ち
 ては則ち改むるに憚ること勿かれ。」と。             (出典:わかりやすい論語・孟子(鎌田正))

 9月9日、塩崎厚生労働大臣は定例の会見で次のように述べました(会見概要から抜粋、赤字:筆者強調)。

(記者)  
 化血研(一般財団法人化学及血清療法研究所)についておうかがいします。血液製剤の不正製造を受けて、他企業への事業譲渡の交渉を進めておりました化血研側に事業の存続を希望する意向があるということが明らかになりました。これについての大臣のお考えをお願いいたします。
(大臣)
 
化血研が自ら何をして、このような事態になっているかをもう一度胸に手をあてて考えていただいた方がいいのではないかと思います。40年にわたって薬事制度の根幹を揺るがす極めて悪質な行為を続けてきたわけでありまして、製造販売業許可の取消に相当するということは冒頭からも言ってきたことであります。これまで化血研としての医薬品製造販売業の継続を前提としない、体制の抜本的な見直しを当初から、1月からずっと求めて、事業譲渡を行うように指導してまいりました。したがって、こういう考え方をもう一度思い出していただいて、そのとおりやっていただくことが大事だろうと思いますので、私どもも化血研に対する指導をきっちりと継続してまいりたいと思います。
 
 厚生労働省は2016年1月に一連の不正が悪質と判断し、過去最長となる110日間の業務停止命令を出し、抜本的な組織の見直しを求めていました。
 そして、2016年4月8日の徳島新聞は、「国の承認と異なる方法で血液製剤などを製造していた化血研が製薬大手のアステラス製薬にワクチンや血液製剤の製造事業を売却交渉に入ったことが7日、分かった。」と報じていました。
 5か月後、9月9日の東京新聞は、「化血研は血液製剤などの事業を他の製薬企業に譲渡するのは難しいとして、事業存続を希望する意向を厚生労働省に伝えていたことが9日、関係者への取材で分かった。」と報じました。
 冒頭の大臣の発言はこれら一連の流れを受けたものです。

 失敗した場合には、嘘をついたり、隠したり、辻褄合わせに走ることなく、適切に対応するしか道はありません。同じ失敗を繰り返さないために何をなすべきかを考えなければならないのです。辻褄合わせに費やす労力は再発防止に向けなければなりません。知らないことは知るように努力をしなければなりません。聞いてわかることは聞く、調べてわかることは調べる努力を怠ってはならないのです。

 論語は「学而」から「堯曰」までの全20編で構成されています。孔子と彼の高弟の言行を弟子達が記録した書物で、512の文章からなっています。儒教における四書(『論語』『孟子』『大学』『中庸』)の一つです。二千数百年前に東洋に現れた偉大な人物、孔子の言行を集めた『論語」は現代を生きる我々が読み返すべき良書の一つではないでしょうか。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2016.9.28)
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23-2)改むるに憚ることなかれ(三菱自工の場合)

 孔子は、人の上に立って政治を行う者の心掛けるべきことを次のように述べています。
 そして、「過ちを犯した場合には、ぐずぐずせず、すぐに改める」、このことは政治家に限ることなく、人として心掛けるべきことと考えます。

 
子 曰、「君 子 不重 則 不 威 。學 則 不固 。主忠 信。無己 者。過 則 勿改 。」    
                                      (論語・学而編)

子曰く、
 「君子重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ち
 ては則ち改むるに憚ること勿かれ。」と。             (出典:わかりやすい論語・孟子(鎌田正))

 次図に示すとおり、燃費データ不正に関する三菱自工の対応は、国土交通省から「常軌逸する事態」と指摘されています。以下、不正発覚から現在までの印象に残った動きを整理してみました。

図1.2016三菱自工燃費データ不正事例

(1)2016年4月20日〜8月2日 三菱自動車工業の燃費データ不正発覚〜調査報告書公開
 三菱自動車工業(以下、三菱自工)は、2016年4月20日17時、軽自動車の燃費試験について、燃費を実際よりも良く見せるため、国土交通省に虚偽のデータを提出していたことを明らかにした。
 4月26日のマスコミ各社は、不正な走行試験の手法を使って燃費データを取得した車種で、2002年以降に販売したのは計200万台を超える見通しになったことが4月25日分かったと報じた。三菱自工は、燃費データの改ざん問題と合わせて4月26日にこれらの調査状況を国土交通省に報告すると発表した。
 さらに、4月27日には、1991年から約25年間にわたり、法令と異なる不正な試験方法で燃費データを計測していたことが発表された旨、報じられた。
 その際、三菱自工は実態解明に向け、特別調査委員会を設置し、約3ヶ月で報告書をまとめることとしていた。
 そして、8月1日、三菱自工は燃費不正問題に関する調査報告書の全体版と要約版を特別調査委員会から受領したので、翌8月2日にWeb上に公開した。 全体版は以下の10章(240頁)、また、要約版(37頁)は全体版の第7章を除く全9章で構成されている。    
 第1章 当委員会の概要   
 第2章 本調査の前提事項   
 第3章 走行抵抗測定方法の問題   
 第4章 走行抵抗測定方法の問題がもたらした性能実験部と認証試験グループのその後の状況   
 第5章 本件問題の全体像   
 第6章 個別的な問題   
 第7章 社員アンケートの結果について   
 第8章 本件問題の原因・背景分析   
 第9章 再発防止策   
 第10章 終わりに
(2)2016年8月5日 石井国土交通大臣会見要旨から抜粋(赤字:筆者強調)
(問)8月2日に三菱自動車工業が燃費不正に関して報告書の公表を行いました。 その中ですと、自動車メーカーとして、車づくりを通じてどういう社会を実現したいかという理念が欠けていたと、結構厳しい言葉が並んでいたように思いますが、改めて報告書の内容の受け止めや、今後の対応等のお考えをお願いします。
(答)三菱自動車工業は、燃費不正問題に関しまして設置をいたしました、第三者による特別調査委員会の調査報告書を8月2日に公表したと承知しております。
この報告書で示された内容は、概ねこれまでに三菱自動車工業から受けた報告内容に沿ったものであると認識しておりますけれども、2011年に行った社内アンケートで、データ偽造等を示唆する回答が複数あったにも関わらず徹底的な調査を行わなかった等、これまでの報告に含まれていない内容につきましては、会社として事実関係を改めて精査した上で、追加報告を行うように三菱自動車工業に対し指示したところです。 国土交通省としましては、三菱自動車工業が、特別調査委員会の調査報告も踏まえた上で再発防止策を着実に実施し、今回のような不正行為を根絶するよう、改めて強く求めていきたいと思います。 なお、再発防止策の進捗状況については、当面四半期ごとに報告を求めていくこととしております。
(問)追加報告を指示したということですが、国土交通省への報告については具体的にいつ頃までにお考えでしょうか。(答)なるべく早くと考えております。
(問)8月3日のタスクフォースで、今後、燃費データの不正について罰則や不利益処分を導入する方針を軸に考えられているとのことですけれども、改めて今回罰則がなかったということで、罰則の導入に向けてどういった狙いがあるのでしょうか。
(答)今回の三菱自動車工業及びスズキの燃費不正行為を踏まえ、国土交通省としては、省内にタスクフォースを立ち上げ、自動車の型式指定審査におけるメーカーの不正行為を防止するための方策について検討を行ってまいりました。 6月に中間取りまとめを行いまして、抜き打ちでのデータチェックの導入等、審査方法の改善・厳格化を打ち出しておりますが、その上で、タスクフォースに新たに学識経験者及び弁護士を加えまして、一昨日、第5回会合を開催し、不正を行ったメーカーに対する措置について検討を行ったところです。 具体的には、今回の不正行為を踏まえ、自動車の型式指定審査における虚偽の申請を法令上明確に禁止し、それに違反した者を型式指定の効力の停止処分や罰則の対象とすべきであるという方向性が示されたところです。 今回の議論を踏まえ、タスクフォースの最終的な取りまとめを8月中を目途に行い、これらの措置を速やかに導入すべく準備を進めたいと考えております。
(問)6月の処分の時は、大臣のお言葉で不完全燃焼だったというお言葉があったように記憶しておりますが、そういった意味で今回の罰則を科すということで、より国民といいますか、1ユーザーとしても納得できるものになるのではないかお感じでしょうか。
(答)納得といいますか、もともと自動車を製造するような一流企業が不正行為をすることを想定していなかったということで、そういうことがあったというのは極めて残念なことであり、不正行為を行ったとしても、法令に基づく処分ができなかったということについては、不完全燃焼だったと申し上げたところでございます。 今回はこういった事例を踏まえまして、今後のことを睨んで、将来的にそういった不正行為が起きた場合の処罰のあり方等を明確にさせていただいたということでございます。
(3)2016年8月22日 三菱自工から国土交通省に追加報告(赤字:筆者強調)
 2016年年8月1日に公表した「燃費不正問題に関する調査報告書」の内容を精査した結果、三菱自工が5月18日付および6月17日付にて国土交通省へ提出した「排ガス・燃費試験の不正事案に係わる調査報告」に含まれていない内容があったため、三菱自工は国土交通省に追加報告を行いました。  
 燃費不正問題に関する調査報告書に含まれていない内容は次の二点です。
 1)「本件問題を会社として把握する機会があったが、見逃されていたこと」として、
    「2005 年(平成17 年)2 月に開催された新人提言書発表会」  
 2)「 本件問題を会社として把握する機会があったが、見逃されていたこと」として、
    「2011 年(平成23 年)に実施されたコンプライアンスアンケート」  
 追加報告書は全3頁で、  
  
1.弊社の調査報告書に含まれていない内容について  
  2.弊社の報告に含まれなかった二点についての確認結果について  
  3.上記二点が弊社の報告に含まれなかった経緯について  
  4.同報告書を受けての対応  

 について述べられています。  
 詳細は三菱自工のホームページ掲載の報告書
(http://www.mitsubishi-motors.com/content/dam/com/ir_jp/pdf/irnews/2016/20160822-01.pdf)で
 ご確認ください。
(4)
@ 2016年8月30日 国土交通省 報道発表資料(赤字:筆者強調)
 8月30日の国土交通省報道発表資料「三菱自動車工業製自動車及びスズキ製自動車の確認試験結果について」において、
三菱自動車工業製自動車の試験を行った9車種21台中、8車種15台の車両で燃費値等が諸元値に達していないことが確認されたこと、並びに、確認試験の過程において、三菱自動車工業の走行抵抗値の測定方法に不正な取り扱い(低い値を抽出)があったことが明らかになったことから、この点についても是正が指示されました。
(5)2016年9月2日 石井国土交通大臣会見要旨から抜粋(赤字:筆者強調)
(問)三菱自動車の件ですが、新たに9車種のうち8車種から燃費のカタログ記載値の乖離が見られますが、この件に関しまして御意見をお願いします。
(答)三菱自動車工業の軽自動車4車種以外の現行販売車9車種につきまして、国土交通省におきまして確認試験を実施したところ、9車種中8車種において、諸元表に記載された燃費値に比べ、最大約8.8%、平均約4.2%燃費値が下回ることが確認されております。 また、三菱自動車工業は、走行抵抗の測定において、ばらつきを抑えた上で走行抵抗を測定するとの試験法の趣旨に反し、測定したデータから走行抵抗値の低いものを抽出するという、不正な取扱いを行っていたことも確認されております。 三菱自動車工業につきましては、一連の燃費に関する不正行為により、軽自動車4車種に引き続き、それ以外の現行販売車につきましても、燃費値が諸元値を下回る結果となり、ユーザーに大きな不信感を与え、我が国の自動車業界に対する信頼を傷つけていることにつきまして、改めて猛省を促したいと思っております。 特に、今回の不正行為が明らかになった後で、燃費値の再測定におきましても、試験法の趣旨に反する不正な取扱いが行われていたことにつきましては、今回の燃費不正問題に対する三菱自動車工業の取組の姿勢そのものが問われる、極めて遺憾な事態であると考えております。 国土交通省といたしましては、このような事態に至った経緯等について徹底的に調査をした上で、その結果も踏まえ、三菱自動車工業の再発防止策の取組状況を厳しくチェックをしてまいりたいと考えております。 このため、本日午前9時より、三菱自動車工業の本社及び名古屋製作所に対して、立入検査を実施しているところであります。 この度の確認試験の結果を受けまして、国土交通省は8月30日に三菱自動車工業に対し諸元表に記載する燃費値等の修正を指示するとともに、修正後の燃費値による表示が適切に行われるまで、対象車の販売を自粛するよう要請をいたしました。 更に、昨日、国内外の自動車メーカーに対しましてこのような不正な取扱いを行わないよう文書で指示するとともに、自動車メーカーの走行抵抗データ測定時の立ち会い等により、その徹底を図ってまいりたいと考えております。 なお、走行抵抗値の測定方法につきましては、データのばらつきを抑える趣旨がより明確にされた新たなルールを、燃費審査基準全体の見直しの一環として、平成30年10月に導入することを予定しておりましたが、今回の事案を受けまして、データのばらつきを抑える新たなルールの導入の前倒しを検討することとしたいと思います。
(問)今日の立入検査ですが、再発防止の状況を厳しくチェックするという意味合いでしょうか。
(答)
不正行為が明らかになったあとの燃費値の再測定においても、試験法の趣旨に反する不正な取り扱いが行われてきた、その経緯等について、徹底的に調査することが目的でございます。
(問)本社と名古屋製作所ですか。
(答)そうです。
(問)三菱自動車工業からもいわれているように、法令には走行抵抗値の取り方は詳しくは書いてはいないわけですが、今回の三菱自動車工業のやり方は違法だったのかということと、ルール自体がそれほど詳しくないだけに、三菱自動車工業以外の他のメーカーでもそのやり方をしている可能性があると思うが、三菱自動車工業以外の他の自動車メーカーを調べる予定はないのか、その2点について教えてください。
(答)まず、現行法におきましては、往復3回測定をして平均値を取ることにしておりますが、実態はかなりの数のデータを測定しているわけです。 ただ、工学的にいえば、そのデータの平均値を取るというのが通常の考え方です。 ところが三菱自動車工業においては、最もいいとこ取りをしている。 たくさんデータを測定した上で、最も走行抵抗値が低くなるようなデータの取り方をしている。 それは常識的に言っても極めて不適切といわざるを得ないと思っております。 厳密にいえば違法ではないかもしれないが、極めて不適切であるということでございます。
(問)新たなルールを先ほど平成30年を前倒しするということですが、WLTPの導入だと思いますが、前倒しはどのくらいできるのでしょうか。
(答)なるべく前倒しをするということです。
(問)2点目で他の自動車メーカーについて質問をしたのですがいかがでしょうか。
(答)国内外の自動車メーカーに対してデータの不正な取り扱いを扱えないよう文書で指示をしております。 ちなみにスズキの26車種につきましては今回測定したところ諸元値内に入っております。 (問)改めて他のメーカーを調べるというは考えはないのでしょうか。
(答)現時点ではありません。
(6)
B2016年9月2日 三菱自工へ立ち入り検査
 本社(東京都港区)と名古屋製作所(愛知県岡崎市)への立ち入り検査を実施した。その結果、良い燃費が出るデータを選ぶ、過去の測定結果を流用する、といった不正が確認された。
(7)
A2016年9月15日 三菱自工を厳重注意と追加報告指示
 三菱自動車の燃費不正問題をめぐって、国土交通省は2016年9月15日、問題発覚後に実施した同社への立ち入り検査の報告書を公表し、同社が再測定の際にも不正を行っていたことを明らかにした。同省は15日に同社の益子修会長兼社長を呼んで厳重注意し、再発防止策を追加報告するよう指示した。

 失敗した場合には、嘘をついたり、隠したり、辻褄合わせに走ることなく、適切に対応するしか道はありません。同じ失敗を繰り返さないために何をなすべきかを考えなければならないのです。辻褄合わせに費やす労力は再発防止に向けなければなりません。知らないことは知るように努力をしなければなりません。聞いてわかることは聞く、調べてわかることは調べる努力を怠ってはならないのです。

 論語は「学而」から「堯曰」までの全20編で構成されています。孔子と彼の高弟の言行を弟子達が記録した書物で、512の文章からなっています。儒教における四書(『論語』『孟子』『大学』『中庸』)の一つです。二千数百年前に東洋に現れた偉大な人物、孔子の言行を集めた『論語」は現代を生きる我々が読み返すべき良書の一つではないでしょうか。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2016.9.24)
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23-1)改むるに憚ることなかれ(2015不正事例4件)

 孔子は、人の上に立って政治を行う者の心掛けるべきことを次のように述べています。
 そして、「過ちを犯した場合には、ぐずぐずせず、すぐに改める」、このことは政治家に限ることなく、人として心掛けるべきことと考えます。

 
子 曰、「君 子 不重 則 不 威 。學 則 不固 。主忠 信。無己 者。過 則 勿改 。」    
                                      (論語・学而編)

子曰く、
 「君子重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ち
 ては則ち改むるに憚ること勿かれ。」と。             (出典:わかりやすい論語・孟子(鎌田正))

 次図は昨年発覚した不正事例のうち、特に印象が強かった4件です。

図1.2015不正事例4件


 失敗した場合には、嘘をついたり、隠したり、辻褄合わせに走ることなく、適切に対応するしか道はありません。同じ失敗を繰り返さないために何をなすべきかを考えなければならないのです。辻褄合わせに費やす労力は再発防止に向けなければなりません。知らないことは知るように努力をしなければなりません。聞いてわかることは聞く、調べてわかることは調べる努力を怠ってはならないのです。

 論語は「学而」から「堯曰」までの全20編で構成されています。孔子と彼の高弟の言行を弟子達が記録した書物で、512の文章からなっています。儒教における四書(『論語』『孟子』『大学』『中庸』)の一つです。二千数百年前に東洋に現れた偉大な人物、孔子の言行を集めた『論語」は現代を生きる我々が読み返すべき良書の一つではないでしょうか。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2016.1.30)
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23)改むるに憚ることなかれ(論語・学而編)

 孔子は、人の上に立って政治を行う者の心掛けるべきことを次のように述べています。
 そして、「過ちを犯した場合には、ぐずぐずせず、すぐに改める」、このことは政治家に限ることなく、人として心掛けるべきことと考えます。

 
子 曰、「君 子 不重 則 不 威 。學 則 不固 。主忠 信。無己 者。過 則 勿改 。」    
                                      (論語・学而編)

子曰く、
 「君子重からざれば則ち威あらず。学べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ち
 ては則ち改むるに憚ること勿かれ。」と。             (出典:わかりやすい論語・孟子(鎌田正))

 失敗した場合には、嘘をついたり、隠したり、辻褄合わせに走ることなく、適切に対応するしか道はありません。

 筆者は安全情報メモ20)ものづくりの現場で失われたものの中で次のように総括しました。
   2000年に失敗学の提唱者である畑村は「失敗体験が真の科学的理解を生む」流れを図1のように表現しました。
   そして、「ある失敗を次の失敗の防止や成功の種に結びつけるには失敗が起きるに至った原因や経過などを正しく
   分析した上で、知識化して誰もが使える知識として第三者に情報伝達することが重要なポイントとなる」と指摘し
   ています。
   また、日本品質管理学会の複合技術領域における人間行動研究会では ヒューマンエラーや標準不遵守に起因する
   事故の未然防止のための従来の方法を整理するとともに、必要に応じて新しい手法の開発を行い、これらをパッケ
   ージ化された方法論として体系化することをねらいとして活動し、2002年には最終報告書「人間行動に起因する
   事故・品質トラブルの未然防止のための方法論の体系化」をまとめています。
   これらに共通しているのは失敗(事故やトラブルなど)の本質(真実)を見抜く確かな眼が必要であるという視点では
   ないでしょうか。IT技術の発展により誰もが簡単に世界中から欲しい情報を手に入れることができるようになりま
   した。この行為は特別に責められるものではありません。しかし、入手した情報を安易に利用することにより生じ
   る弊害があることを忘れてはなりません。本来、知識や経験は努力して、苦労して身につけるべきものです。真偽
   は元より本質を見抜く努力を怠るとそのつけは自分に返ってくるでしょう。今、正に、組織を構成する個々の知的
   レベルが試されています。バブル崩壊以降の失われた10年(あるいは20年)の間に、ものづくりの現場で失われた
   「本質(真実)を追求する意欲」を復活しなければなりません。

 失敗した場合には、嘘をついたり、隠したり、辻褄合わせに走ることなく、適切に対応しなければなりません。同じ失敗を繰り返さないために何をなすべきかを考えなければならないのです。辻褄合わせに費やす労力は再発防止に向けなければなりません。知らないことは知るように努力をしなければなりません。聞いてわかることは聞く、調べてわかることは調べる努力を怠ってはならないのです。

 論語は「学而」から「堯曰」までの全20編で構成されています。孔子と彼の高弟の言行を弟子達が記録した書物で、512の文章からなっています。儒教における四書(『論語』『孟子』『大学』『中庸』)の一つです。二千数百年前に東洋に現れた偉大な人物、孔子の言行を集めた『論語」は現代を生きる我々が読み返すべき良書の一つではないでしょうか。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.3.19)
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