2)製造物責任法(PL法)
製造物責任法は1995年7月1日に施行されました。主な内容は製造物の欠陥による損害賠償責任に関するものです。製造物責任に相当する英語の「Product
liability」からPL法と呼ばれることがあります。
民法では被告の過失を原告が立証する必要があり、過失の証明が困難な事例が多くありました。
製造物責任法では損害賠償を請求する際、製造者の過失を要件としていません。製造物に欠陥があることが立証できれば製造者の製造物責任を追及することが可能となります。
製造物責任法の構成は次のとおりです。
第一条(目的)
第二条(定義)
第三条(製造物責任)
第四条(免責事由)
第五条(期間の制限)
第六条(民法の適用)
詳細は電子政府の総合窓口(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi)から関連条文をご覧ください。
本項では第一条と第三条のみ紹介します。
第一条(目的)この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第三条(製造物責任)製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。
ここで「製造業者等は引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときはこれによって生じた損害賠償をする責めに任ずる。」とありますが、欠陥の存在、欠陥と損害との間の因果関係については被害者側に立証責任があります。加害者側である製造者等に立証責任を転換する立法はされていないので注意が必要です。
(2013.02.13)
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