5)美瑛・一期一会の風景
美瑛は北海道のほぼ中央、上川盆地と富良野盆地の間の丘陵地帯にある。美瑛は風景写真家、前田真三の作品を通して有名となった。彼が美瑛を初めて訪れたのは1971年であった。今では年間約120万人の観光客が訪れる町となった。
美瑛の丘には大小合わせて約3000枚の畑地がある。そこでは、じゃがいも、小麦、テンサイ、とうもろこしなど30種類以上の農作物が生産されている。農作物によっては連作障害を避けるために計画的に畑地を変えなければならない。
また、傾斜地(丘)ならではの苦労も多い。例えば、じゃがいもは傾斜が急な畑では収穫の際、農業機械にかかる負荷が大きくなるため作ることができない。とうもろこしの収穫では傾斜地での転倒防止のため400kgの重りを農業機械に装着して作業をすることもある。
このように傾斜地(丘)での作業は制約も多く、美瑛の農家は苦労と工夫の連続である。しかし、この無限の組み合わせが観光客のみならず、美瑛の人々にとっても二度と見ることができない一期一会の風景を生み出している。
また、美瑛の丘では特徴的な木を見かける。元々、畑地や敷地の境界に植えられていたものが枯れずに残っているようだ。セブンスターの木、ケンとメリーの木、親子の木などは写真撮影スポットとして有名である。
美瑛・
セブンスターの木
(2012.8.12撮影)
美瑛・
ひまわり
(2012.8.12撮影)
(2012.12.14)