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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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News詳細19News detail

19-3)はやぶさ2/小惑星「リュウグウ」の砂にアミノ酸

 2022年6月10日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構は「小惑星探査機「はやぶさ2」Phase-2キュレーション成果論文の日本学士院紀要掲載について」をプレスリリースしました。 そして、「小惑星リュウグウ試料の初期分析について」と題し、次のように述べています。  
    
小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトチームでは小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる
   「はやぶさ2初期分析チーム」及び、岡山大学並びに国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研
   究所の2つのPhase-2キュレーション機関にて進めています。
   ?この度Phase-2キュレーション岡山大学の活動に基づく研究成果をまとめた論文が、日本学士院紀要に2022年6月
   10日付で掲載されましたので、お知らせします。  
    論文タイトル:On the origin and evolution of the asteroid Ryugu:
           A comprehensive geochemical perspective  
    掲載誌: Proceedings of The Japan Academy, Series B. Vol 98, No. 6, pp.227-282

 
 掲載された成果論文の概要はプレスリリースされた別紙「小惑星リュウグウの起源と進化- 地球化学総合解析による太陽系物質進化の描像 」に記述されています。リュウグウ試料から生命の源ともされるアミノ酸が20種類以上検出されたことで、今後、生命の誕生や地球外生命の存在可能性に迫る手掛かりになると期待されます。ここでは、詳細な説明の項から、一部を引用します。
   
リュウグウ粒子は小惑星表面から回収されたのち、地球環境に直接触れることなくP2C-PMLに搬入されました。   これによって、隕石物質で問題となる、地球環境に起因する汚染の影響を最小限に留めることができました。得ら
   れた結果を直接地球外物質の持つ特徴として解釈できることは大きなアドバンテージです。そして解析の結果、リ
   ュウグウ物質に生命を構成するのに不可欠な、水素が0.69〜1.30wt%(主に含水鉱物相として存在)、炭素が
   2.79〜5.39wt%(そのうち有機物分は1.77〜4.00wt%)含まれていることが確認されました。またアミノ酸や含
   窒素複素環式化合物など多くの有機物が検出されました。隕石から検出されるアミノ酸の一種は、リュウグウ試料
   からは検出されませんでした。地球上でのアミノ酸の混染を考えなくてよいことから、検出された23種(異性体
   を含む)アミノ酸は、地球以外の太陽系内に元々存在していたことになります。我々はアミノ酸を含む有機物が氷
   天体で形成進化し、これが地球環境にもたらされたことによって生命が誕生したのではないかと考えています。今
   後の研究によって生命の起源との関連がより詳細に明らかとなるでしょう。


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2022.7.10)

19-2)こうのとり(無人補給機)/最後の打ち上げ成功

 2020年5月21日、「こうのとり」9号機が打ち上げられました。 2009年9月11日の1号機以降、打ち上げの成功率は100%です。2021年度以降は開発中の後継機「HTV-X」をH3ロケットで打ち上げる予定です。
 最後の打ち上げとなった今回は、新型コロナウイルスの感染対策で一部の人員をテレワークに回すなど、厳戒体制の下で実施されました。打ち上げ15分後に予定の軌道に投入された「こうのとり」は、25日に国際宇宙ステーションに到着の予定であると、5月22日の徳島新聞は報じていました。
 JAXAホームページには、
「『こうのとり』は、H-IIBロケットにより打ち上げられる無人の宇宙船で、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を地上約400km上空の軌道上にある国際宇宙ステーションに送り届け、補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やされる」と紹介されています。
 今回のこうのとり9号機は、2018年11月16日、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(法律第76号)」が施行され、執行責任がJAXAから三菱重工業へと移管されて二度目の打ち上げでした。
 この法律は「宇宙活動法」とも呼ばれ、全8章65条および附則からなる法律で、人工衛星の打ち上げに関する一定の規制が設けられています。具体的には人工衛星の打ち上げが許可制となり、また事故時の保証体制の確立を義務化し、違反には罰則が科せられます。
 「こうのとり」9号機は、国際宇宙ステーション(ISS)に数十日間とどまり、不要となった物資を積み込んで大気圏に再突入し、燃え尽きる予定です。
                                    
写真1.こうのとり打ち上げ
(出典:2020年5月22日付、徳島新聞)

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2020.5.24)

19-1)小惑星探査機「はやぶさ2」

 2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、2003年5月9日に打ち上げられ、2010年6月13日小惑星「イトカワ」のサンプルを地球に持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ」の後継機です。  
 2019年7月11日、「
はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」への2回目の着陸が成功したことを受けて開いた記者会見において、JAXAの津田PMは「太陽系の歴史のかけらを手に入れた」と述べ、物質採取に成功したとの見方を示しました。そして、「はやぶさ2」は2019年末に「リュウグウ」を出発する予定です。
 小惑星は、太陽の光を反射して輝いています。これら小惑星からの光のスペクトルはそれぞれの特徴を基にいくつかのグループに分類されています。
 例えば、イトカワは主な材料が岩石質と推定される「S型小惑星」に分類されていますが、はやぶさ2が目指したリュウグウは岩石の中に有機物や含水鉱物をより多く含むと考えられている「C型小惑星」に分類されています。
 JAXAのホームページには小惑星探査機はやぶさ2プロジェクトのサイトがあり、はやぶさ2の打ち上げ準備段階から現在までの情報を閲覧できます。
 そこで、はやぶさ2のミッションに関する興味深い記述がありましたので、以下に引用します。
(略)小惑星の多くは、火星と木星の間の「小惑星帯」とよばれる部分に存在しています。その中でも太陽からの距離が近いところにはS型小惑星が多く分布しており、小惑星帯の中程にはC型小惑星が多く分布しています。さらにより遠くの木星の軌道に近いあたりには、C型よりもさらに始原的な天体と考えられるP型やD型小惑星という天体が存在しています。火星や地球など、太陽系の内側にある惑星は「地球型惑星(岩石惑星)」と呼ばれています。
 「S型小惑星」を探査することによって、これら岩石質の惑星たちの原材料の手がかりが得られます。これまで、S型小惑星は、地球上で最もたくさん発見されている隕石である「普通コンドライト」のふるさとではないかと予想されていましたが、それを立証する手立てはありませんでした。2005年、小惑星探査機「はやぶさ」はS型小惑星「イトカワ」に到着し、その観測データからこの予想が正しいことを示しました。さらに、2010年、「はやぶさ」はイトカワの物質を地球に持ち帰ることに成功しました。その物質を分析したところ、S型小惑星が普通コンドライトの母天体であることが完全に証明されたのです。  
 これに対して、「C型小惑星」は、「炭素質コンドライト」と呼ばれる隕石のふるさとであると予想されています。「はやぶさ2」が向かうC型小惑星は、有機物(炭素を含む化合物)や水を多く含む天体と考えられています。炭素と水は、我々人類を含む地球上の生物の最も基本的な要素であり、地球生命の原材料とも言えるでしょう。「はやぶさ」に続く
「はやぶさ 2」ミッションでは、このC型小惑星からのサンプルリターンを行います。(略)  
 
 なお、2010年6月13日小惑星「イトカワ」のサンプルを地球に持ち帰った小惑星探査機「はやぶさ再突入カプセル(一部、レプリカとカットモデル含む)は徳島県でも、板野町にある「あすたむらんど徳島」で2011年1月21日〜24日の間、巡回展示されていました。写真が残っていないので、撮影は禁止だったと思います。
                                                   
写真1.はやぶさ2模型
(出典:NHK NEWSWEB
 探査機はやぶさ2の実物大の模型が人気
          8月19日16時29分

https://www3.nhk.or.jp/news/special/hayabusa2/)


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19)こうのとり(無人補給機)/宇宙活動法

 2019年9月25日、「こうのとり」8号機が打ち上げられました。 1号機は技術検証機として、2009年9月11日に打ち上げられました。こうのとり」は国際宇宙ステーションへの補給の要の役割を果たしています。
 国際宇宙ステーション計画は、15カ国が協力する国際プロジェクトで、宇宙空間において、地球・天体の観測や、実験・研究などが行われています。参加各国が役割を分担しており、日本は、H-IIBロケットで打ち上げる宇宙ステーション補給機「こうのとり」を開発・運用しています。「こうのとり」は年1機程度打ち上げられ、さまざまな荷物を運び 国際宇宙ステーション計画を支えています。
 JAXAホームページには、
「『こうのとり』は、H-IIBロケットにより打ち上げられる無人の宇宙船で、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を地上約400km上空の軌道上にある国際宇宙ステーションに送り届け、補給が済むと用途を終えた実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入して燃やされる」と紹介されています。
 今回のこうのとり8号機は、2018年11月16日、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(法律第76号)」が施行され、執行責任がJAXAから三菱重工業へと移管されて初めての打ち上げでした。
 この法律は「宇宙活動法」とも呼ばれ、全8章65条および附則からなる法律で、人工衛星の打ち上げに関する一定の規制が設けられています。具体的には人工衛星の打ち上げが許可制となり、また事故時の保証体制の確立を義務化し、違反には罰則が科せられます。
                                                   
写真1.こうのとり打ち上げ
(出典:2019年9月26日付、徳島新聞)

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