2)指差呼称の効果
1996年*1)、財団法人鉄道総合技術研究所が実施した「指差呼称」の効果検定実験では「操作ボタンの押し誤りは指差呼称を行った場合が何もしない場合に比べて約1/6になった」との結果が得られた。
次図は実験結果のグラフ(データを基に筆者が作成)である。
指差呼称効果検定実験結果
1996年*1)に財団法人鉄道総合技術研究所が行った実験結果を基に作成。(2012.11.23)
*1)誤記訂正(1994年⇒1996年)(2014.3.27)
JR,私鉄などの運輸関係、多くのものづくりの現場、建設工事現場などでは古くから指差呼称が行われてきた。指差呼称は不安全行動を防止し、ヒューマンエラーを防止するために効果があるといわれている。操作間違いを防止するためハード面でも操作器、表示器などが改善されてきた。それでも人が介在する限りはヒューマンエラーは発生する。ダブルチェックが可能であればともかく、自分一人で対応せざるを得ない時、指差呼称は有効と考える。
一刻を争う緊急事態ならともかく、通常の作業において数秒の時間確保は容易と思われる。もちろん、指差呼称でヒューマンエラーが100%防げるわけではない。しかし、指差呼称しない場合に比べて操作ミスが約1/6に減るのであれば真剣に取り組む価値はある。(2012.11.23)
*1)誤記訂正(1994年⇒1996年)(2014.3.27)