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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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安全情報メモ74Safety information

74)リスクアセスメント(新日鐵住金名古屋製鉄所の事故事例)

 図1は2014年9月3日に発生した新日鐵住金(株)名古屋製鉄所の火災事故の記事です。平成26年9月4日12時00分現在の災害情報が「新日鐵住金(株)名古屋製鐵所火災事故(第3報)」として総務省消防庁より公表(ホームページに掲載)されています。事故の概要等(災害情報より抜粋)は次のとおりです。
  
3 事故の概要 第1コークス炉石炭塔から出火。 第1コークス炉ベルトコンベア及び第3コークス炉ベルトコンベア
   に延焼。
  4 負傷者 15名(重傷5名、中等傷4名、軽傷6名)
  6 消防庁の対応9月3日13:00 消防庁特殊災害室長を長とする災害対策室を設置。
              17:00 消防庁長官による火災原因調査のため消防庁職員8名の派遣 を決定。

 
 ところで、同製鉄所は、今年、同様の事故を既に4回発生させています。
  @2014年1月17日:構内の火力発電所にて短絡事故に伴う火災が発生した。また、当該事故の影響によって、停電
   が発生し、第1、第2、第4、第5コークス炉のコークスガスを吸引するブロワーが停止した。そして、ブロワー
   の停止に伴い、コークス炉で発生しているコークスガスを放散塔から燃焼処理し放散した。 死傷者等の発生はな
   かった。(消防庁の災害情報より抜粋)
  A2014年1月20日:1月17日の事故の復旧過程で別の電気系統も過電流で不具合を起こし、同様にコークス炉ガス
   の燃焼放散を実施したため大量に発煙する事故が起きた。死傷者等の発生はなかった。
  B2014年6月22日午後:大量の黒煙が発生し、屋外に放出されるトラブルが起きた。そして、所内の広い範囲で停
   電が発生し、1月と同様に燃焼放散を実施したため黒煙が大量に発生した。死傷者等の発生はなかった。
   (報道記事;名古屋製鉄所の話)
  C2014年7月27日:4回目の停電が起き、再度黒煙を発生させた。

 過去4回の事故では、何れも死傷者等の発生はなかったのですが、今回は重傷5名を含む、負傷者15名という大きな労働災害となってしまいました。過去4回の事故を活かし、5回目の事故を未然に防ぐことはできなかったのでしょうか。
 近年、労働災害の原因が多様化し、その把握が困難になっています。これは生産工程に導入された機械設備などが高度化され、複雑になってきたことが原因と思われます。このような状況において事業者は事業場の安全衛生水準の向上を図らなければなりません。
 2006年4月から事業者には新たに「危険性又は有害性の特定、リスクの見積りおよびその結果に基づくリスク低減措置の実施」が法令上の努力義務とされています。即ち、リスクアセスメントの実施は”安全第一(Safety first)”の企業文化を醸成し、事業場の安全衛生水準を向上させるために課せられた法令上の努力義務なのです。

 

図1.爆発事故があった新日鐵住金名古屋製鉄所
 
(出典:徳島新聞2014年9月4日(27)社会)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.9.27)                                            

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