本文へスキップ

阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

技術情報メモ45Technical information

45) 震災時対応の成功事例から学ぶ-未然防止の知恵-(日本品質管理学会)

 2013年10月15日、日本品質管理学会発行の「品質(Vol.43.№4)」に「震災時対応の成功事例から学ぶー未然防止の知恵ー」が特集され、4編の記事が掲載されています。
 そして、リスクへの事前対応の成功事例の一つとして女川原発の事例が採り上げられています。女川原発は東日本大震災発生当初から福島原発と比較してその安全性が論じられています。本特集でも「震災に対する事前リスク想定成功事例から学ぶ未然防止の知恵(伊藤誠)」において、津波に対して耐えることができた事例として成功の理由が考察されています。

 一方、2013年5月28日、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの最終報告書「南海トラフ巨大地震対策について」が公表されました。表1は地震調査研究推進本部が作成した中国・四国地方の地震のリストです。
 詳細については地震調査研究推進本部地震動予測地図ウェブサイト(http://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/)をご覧ください。
 南海トラフ巨大地震対策を検討する際に想定すべき最大クラスの地震・津波につ いては、2011年8 月に内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長:阿部勝征東京大学名誉教授)において検討が進められました。特に、津波については、「発生頻度は極めて低い ものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波を想定した結果、津波高10m 以上の巨大な津波が13 都県にわたる広い範囲で襲来することが想定されています。
 政府の地震調査委員会は、南海トラフで起きる大地震の長期予測について、東海・東南海・南海の3地震を、今後は個別評価ではなく、一元的評価に変更する方針のようです。
 南海トラフ沿いで起きる地震は、100~150年周期とされていますが、規模にはばらつきがみられます。駿河湾から九州東部沖にかけて延びる南海トラフでは、過去に、M8級の,東海・東南海・南海地震が繰り返し起きています。地震調査委は、現在南海トラフ全体を三つの震源域に分け、過去の発生周期から個別に確率を予測しており、30年以内の確率は、2013年1月の時点で、東海88%、東南海70~80%、南海60%と評価しています。
 

表1.地震のリスト(中国・四国地方)

出典:地震調査研究推進本部 地震動予測地図ウェブサイト

 どの範囲まで想定すればよいのか、「想定外を想定せよ(畑村洋太郎)」と言われても限度があるしというのが、現実ではないでしょうか。リスクアセスメント(ハザードを特定し、リスクを見積り、対策を検討し、優先順位をつけ実施)を実施すればよいのかも知れませんが、リスクの見積りで苦慮しそうです。しかし、「命」を守るために何をなすべきかの視点は決して外してはなりません。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.10.30)                                            技術情報メモ一覧へ戻る

バナースペース

阿部技術士・
労働安全コンサルタント事務所

〒771-1330
徳島県板野郡上板町西分字橋北
16番地2

TEL 088-694-3482
FAX 088-694-3482