阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

59）フィードバック結合とＰＤＣＡ

　制御装置はいくつかの部品で構成されており、分割された各部分を要素、要素に加えられる物理量を入力信号、入力信号により変化を受け要素から出ていく物理量を出力信号といいます。 図１は最も簡単なフィードバック結合のブロック線図を示したものです。ブロック線図とは制御装置を構成する要素を枠で囲んだブロックで表し、物理量の出入りを矢印を付けた線でつなぎ、ブロック間の関係を示したものです。

　図２は図１の最も簡単なフィードバック結合のブロック線図にＰ・Ｄ・Ｃ・Ａサイクル（赤線）を重ねて示したものです。ものづくりの現場で行われるＰ（計画）・Ｄ（実施）・Ｃ（評価）・Ａ（改善）サイクル（赤線）の継続的な実施は恰も制御系におけるフィードバック結合に対応しています。

　図３は品質造り込みの考え方（フィードバック）を模式的に示したものです。製造工程内の小さなフィードバックのループから消費者、外注先を巻き込んだ大きなループまで多様な形態がありますが、これらのループの何れもが有機的に結合することにより安定した品質を保つことができます。品質異常という失敗に学び、それを活かし、二度と同じ失敗を繰り返さないために有機的に結合したループは閉じたものであって、そのフィードバックサイクルは可能な限り短時間でなければならないと考えます。

　当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 　(2014.6.6)