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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2
図1はものづくりの現場で発生した問題の中から解決すべき課題を見出し、分類し、それぞれの課題への対応レベルを向上し、連携を図るために作成した一例を示したものです。付番した課題の各テーマの内容については当事務所のホームページに掲載しています。
図1の右下の図は三角柱と三角錐を組み合わせたもの(家)です。技術、品質並びに安全について、課題の選定が的外れであると壁(三角柱の側面)が、各課題への対応レベルが不揃いであると屋根(三角錐の斜面)が、それぞれ不完全なものとなり、安心して居住できる家(環境)を建てることができなくなります。安心して居住できる家を建てるためには技術と品質と安全がバランスよく連携していなければならないのです。
バランスよく連携するためには発生した事故や品質トラブルなどを「問題」として捉え、その中から課題を見出し、適切に対応しなければなりません。「問題」とは、解決すべき事柄(対象)におけるあるべき姿(目標)と現状とのギャップのことです。そして、このギャップを埋める作業こそが「問題」を解決するための研究や論議なのです。問題が発生した場合、普通の組織であれば「問題が発生したので今後の対応を協議します。」ということになり、関係者が招集されます。この協議の場で、出席メンバーの認識が不揃いのまま、協議が進行すると大変なことになります。話がまとまらないだけであれば大きな問題ではないのですが、隠したり、嘘をついたり、辻褄合わせに走ると「組織ぐるみの不祥事」との評価を得て、世間の非難を浴びることになります。人が介在する作業において結果として生じるヒューマンエラーの未然防止実現のためには、隠したり、嘘をついたり、辻褄合わせをしない職場環境の実現が不可欠なのです。不都合な真実こそオープンにし、ギャップを埋める努力を怠ってはならないのです。
近年、原子力、医療、食品など様々な分野において発生した事故が大きな社会問題になっています。これらの中には単純な人のエラーが引き金になった事故だけでなく明らかにモラルの欠如と思われる人の行動による犯罪若しくは犯罪まがいのものも含まれており、これらの「恥知らずの面々」の行動には愕然とさせられます。(社)日本品質管理学会では2000年2月に「複合技術領域における人間行動研究会」を設立し、ヒューマンエラーや作業標準の不遵守に起因する事故の未然防止のための従来の手法を整理すると共に必要に応じて新しい手法の開発を行なっています。そして、まとめられた最終報告書「人間行動に起因する事故・トラブルの未然防止のための方法論の体系化」は専門家のレベルアップと同時に社会全体で品質管理の意識向上に取り組み、実践を通じて産業界へ貢献しようとするものでありました。
さて、10年の時を経て、ものづくりの現場はどのように変貌したでしょうか。 品質管理学会のみならず、関連の学協会の前向きの努力によってもトラブルの未然防止は実現できていないと言わざるを得ません。技術的に未知なものであれば止むを得ない面もありますが、不注意や、ポカミスのようなものが依然としてあるのは何故でしょうか。また、明らかなコンプライアンス違反に属するものもあるのは何故なのでしょうか。
当事務所では、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みのサポートを目指しています。このため、製造ラインの信頼性を高め、維持するため、製造ラインにおいて発生した失敗事例を基に「失敗に学びつつ失敗を活かす方法」の開発を目指しています。 (2014.8.25)
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