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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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技術情報メモ70Technical information

70)設計の勘どころ(標準数/単純化・共通化・標準化)

 Wikipediaによると「標準数は、1877年-1879年頃に当時フランスの軍人であったシャルル・ルナールが気球の多種多様なロープの太さをまとめようとしたのがはじまりでルナール数とも呼ばれる。」とあります。
 
例えば、4mmのロープ径で不足の場合、1mmプラスした5mmのものを採用しますが、40mmのロープ径の場合、1mmプラスの41mmではなく、10mmプラスの50mmのものを採用します。
 これは、実用上の経験則(例えば、ウェーバー・フェヒナーの法則(技術情報メモ68)設計の勘どころ)などによるもので、この場合は等比数列を採用しています。

 日本工業規格JIS Z8115:2000によると、信頼性とは、「アイテムが与えられた条件の下で,与えられた期間,要求機能を遂行できる能力」、信頼度とは、「アイテムが与えられた条件で規定の期間中, 要求された機能を果たす確率」と定義されています。この考え方は機器だけではなく、ソフトウェアや人間も含めたシステム全体にも適用されます。
 信頼性を向上させるために重要な要素として、JSQC選書19は、耐久性保全性設計信頼性の三つを挙げています。そして、機器やシステムの耐久性や保全性をより高く保つように配慮すべき性質である設計信頼性を高めるための設計技術の一つに「
単純化・共通化・標準化」があります。部品数を削減することで、故障率は下がり、信頼性は向上し、部品の共通化や標準化により機器の開発期間を短縮できます。
 このように品質の良いものを安価に早く作るために行う工業標準化や設計などにおいて必要となるのが、系列的かつ合理的な数列から標準化や設計に関わる最適な数値を定める作業です。設計者が機器の主要寸法を無分別に選択すると標準化の目的は達成できません。この目的に適う合理的な数列が必要となります。
 日本工業規格JIS Z8601-1954には、
標準数Preferred Numbersが規定されており、工業標準化や設計などで最適な数値を定める作業において、選定の基準として用いられています。
 
表1上段はJISに基づく標準製図法から引用したものにExcelで求めた計算結果を追記したものです。また、表1下段は円筒型容器の寸法、容積に応用した例を引用しています。

表1.上段
標準数R5〜R40
及びR10計算結果
表1.下段標準数応用例
(円筒型容器の寸法、容積)
(出典:JISに基づく標準製図法、計算結果は当事務所にて追記)

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2019.11.25)
                                           

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