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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

トピックス詳細41Topics detail

41-9)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                           

41-8)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                           

41-7)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                            

41-6)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                           

41-5)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                           

41-4)追跡(事故・品質トラブル・企業不正:               )




                                           

41-3)追跡(大川原化工機事件)

 大川原化工機の「噴霧乾燥機」が生物兵器製造に転用と判断され、無許可輸出したとして、2020年3月11日、会社の代表者らが逮捕・拘留されました。その後、検察官による公訴提起が行われましたが、初公判の直前の2021年7月30日、罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴が取消されました。そもそも犯罪が成立しない事案だったのです。
 その後、会社側は東京都と国に賠償を求め提訴しました。2025年5月28日、東京高裁は犯罪成立の判断について合理的な根拠を欠いたとして一審に続き逮捕・起訴を違法と認め、賠償を命じました。
 マスコミ報道によると、
判決は、公安部の輸出規制の解釈に関し、所管する経済産業省側から問題点を指摘されても再考せず逮捕したと新たに指摘。検察は起訴を慎重に判断すべきだったのに、装置内の温度測定など必要な検証を怠っており違法だとした。(略)一審では、公安部の捜査員が事件を「捏造」と発言。二審でも別の元捜査員が「(立件は)日本の安全を考えたものではなく。決定権を持つ人の欲だと思う。」異例の発言をしていた。
 2025年6月11日、警視庁と東京地検は東京高裁判決に対し、上告しないと表明しました。そして、再発防止に向け、経緯を検証する方針を明らかにしました。
 改ざんと捏造の違いはありますが、大川原化工機冤罪事件に関わる一連の報道を見聞きするたびに、「大阪地検特捜部主任検事による証拠品FD(フロッピィディスク)のデータ改ざん」を思い出します。2009年7月、郵便割引制度が悪用された「郵便不正事件」に、当時、厚生労働省局長であったM氏が関与したとする捜査担当の主任検事が描いた筋書きに合わせるため、証拠品であるFD(フロッピィディスク)のデータを改ざんした冤罪事件です。朝日新聞による報道(2010年9月21日)により、被告人のひとりが作成したとされる障害者団体証明書に関し、重要な証拠が改ざんされた疑いがあることが表面化しました。
 残念ながら、改ざんと捏造に関わるニュース は跡を絶ちません。JR北海道の線路幅に関する改ざんやかなり古いところでは神の手による旧石器の捏造や珊瑚の捏造などが思い出されます。(2025.7.9)
                                             
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41-2)追跡(知床遊覧船事故)

 2019年9月22日、台風17号の影響で、やや波が高かったのですが、知床遊覧船08:15発は出港しました。次便以降は欠航が決まっているとのことでした。カムイワッカの滝まで、折り返しの約1時間のコースでした。途中、鮭を探すヒグマを見ることができました。当時は、欠航前の便に乗船できてよかったと安堵すると共に安全が保証されない運航はないものと確信していました。
 ところが、
2022年4月23日、知床遊覧船は沈没し、20人が死亡、6人が行方不明になりました。2023年9月4日に運輸安全委員会が公表した報告書によると、事故の原因は、船前方のハッチと窓から浸水し沈没した可能性が高いとしています。報告書は全部で271頁、内訳は本文186頁、表紙1頁、要旨3頁、目次6頁、別添1〜3(何れも請負研究)となっています。
 
2024年9月18日、安全確保義務を怠り、不明者も含め計26人も死なせたとして、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで第1管区海上保安本部が知床遊覧船の社長K容疑者を逮捕したとマスコミ各社は報じました。
 2025年4月23日、事故から3年、逮捕の翌月K容疑者は釧路地検が起訴しています。検察は、事故当日は基準を上回る天候の悪化が予想され、死傷事故を発生させる恐れを予見できたにも拘らず、被告は出港や航行継続の中止を船長に指示する義務を怠ったとしている。報道によると、釧路地裁は初公判前に争点を絞り込む公判前手続きを行うことを決めたが、手続きの第1回期日は指定されていないとのことです。
 2005年のJR福知山線脱線事故で起訴されたJR西日本の歴代社長は全員無罪が確定したように、「危険を予見できたこと」と「回避の措置を講じなかったこと」をどのように立証するか、現場にいない会社幹部の責任追及は簡単ではないようです。(2025.4.23)
<組織罰を実現する会>
 
事故によって多くのかけがえのない命が奪われたにもかかわらず、誰もその責任を負わない。「組織罰を実現する会」は再発防止を願う遺族たちが中心になり2016年4月23日に発足しました。
・2012年に起きた中央自動車道路笹子トンネルの天井板崩落事故では中日本高速道路の社長ら10人が不起訴になり、 
・2011年の東京電力福島第1原発事故では経営陣3人が強制起訴されましたが、2025年になって全員の無罪が確定しました。
 組織罰を実現する会では企業活動における大規模事故などにおいて、法人の刑事責任を問えるように新たな特別法の制定を求めています。事故の予見可能性の立証は組織やシステムが大きくなると困難な場合が多く、結果として、だれも責任を取らないのでは遺族の納得は永遠に得られることはないでしょう。(2025.7.5)
                                           

41-1)追跡(中華航空機墜落事故)

・2024年4月26日、中華航空機が墜落・炎上し、264人が犠牲になった事故から30年、事故現場となった名古屋空港近くで、犠牲者を追悼する慰霊式が行われた。
・運輸安全委員会が作成した事故報告書(96-5)は、本文105頁、付図や別添などを含めると337頁からなり、「4原因」

の中で、次のように記載されている。
  
同機は、副操縦士の手動操縦により名古屋空港滑走路34へILS(Instrument Landing System)進入中、副操縦士が
 誤ってゴー・レバーを作動させたため、FD(Flight Director)がゴー・アラウンド・モードにになるとともに推力が
 増加し、正規の降下経路から上方に変位した。
  その後、ゴー・アラウンド・モードが解除されないまま、AP(Auto Pirot)がエンゲージされ、その状態で機長の指
 示の下で副操縦士が操縦輪を押し続けた。このため、THS(水平安定板)が機首上げ方向一杯まで作動し、異常なアウ
 ト・オブ・トリム状態となり、当該状況を認識することなく更に進入を継続し、迎角が増大してアルファ・フロア機能
 が作動し同機のピッチ角が増大した。この時点で、操縦を交替した機長が着陸困難と判断してゴー・アラウンドを試み
 たと考えられ、同機は高ピッチ角の姿勢で急上昇し、機長及び副操縦士による回復操作が効果的に行えず、失速して墜
 落に至った。(以下、略)

・刑事事件としては、機長、副操縦士、副社長ら4名が書類送検されたが、2000年4月6日、何れも不起訴が確定した。一方、民事事件としては、2008年3月13日までにすべての裁判が終了している。
・ 航空機には、例えば、離陸の際、安全に離陸できるように離陸決心速度があり、航空機は、機長の意図と決心により操縦し、離陸している。航空機の操縦においては、いかなる場合も機長の操縦を優先させるべきであり、航空機の自動化がどのように進んでも、最終的にはコンピュータより、人間を優先すべきと考える。しかし、航空機のニアミス回避のような緊急時の対応についてはどうであろうか。人間を含めた高度な信頼性の実現が不可欠と考える。(2024.4.26)
                                            

41)追跡(JR福知山線脱線事故)

・2024年4月25日、JR福知山線脱線事故から19年、現場で追悼慰霊式が行われた。
・2005年4月25日、9時18分頃に発生した福知山線脱線事故では運転士1人を含む107人が死亡し多数の乗客(判決では493人)が負傷した。
・運輸安全委員会が作成した事故報告書(RA2007-3-1)は、本文256頁、別添1、2と参考を含めると264頁からなり、243頁に「4原因」の中で、次のように記載されている。
・本事故は、本件運転士のブレーキ使用が遅れたため、本件列車が半径304mの右曲線に制限速度70km/hを大幅に超える約116km/hで進入し、1両目が左に転倒するように脱線し、続いて2両目から5両目が脱線したことによるものと推定される。(以下、省略)
・本事故に対するJR西日本の歴代社長3人の刑事責任(業務上過失致死傷罪)が問われた事件の裁判が、神戸地裁   (2013.9.27)、大阪高裁(2015.3.27)、最高裁(2017.6.12)で行われた。
・最高裁判決は2017年6月12日にあった。この裁判は、検察審査会による「起訴議決」により起訴されたものであるが、結果はいずれも無罪であった。 本事故における運転士のブレーキ使用の遅れのほか、浮かび上がった組織的な問題などもあり、裁判の行方が注目された。
・事故が発生した場合、会社やトップの負うべき責任には、民事責任、刑事責任、行政上の責任、社会的責任、道義的責任などがある。
・本事故の場合、運転士が制限速度を守っていればATS設置の有無に関係なく事故は発生しなかった。判決は無罪で、刑事責任は免れたが、鉄道事業者として、余裕のないダイヤ設定や守れない場合に運転士に対する日勤教育(ペナルティ)を科すなどの厳しい対応をするのであれば、その前提として、速度超過による危険を回避する措置(例えば、ATS設置)など十分な安全確保を行うべきであった。その点では、少なくとも歴代社長や会社の社会的責任や道義的責任は免れないと考える。(2024.4.25)

・事故によって多くのかけがえのない命が奪われたにもかかわらず、誰もその責任を負わない。「組織罰を実現する会」は再発防止を願う遺族たちが中心になり2016年4月23日に発足しました。
 2012年に起きた中央自動車道路笹子トンネルの天井板崩落事故では中日本高速道路の社長ら10人が不起訴になり、 
 2011年の東京電力福島第1原発事故では経営陣3人が強制起訴されましたが、2025年になって全員の無罪が確定しました。
 組織罰を実現する会では企業活動における大規模事故などにおいて、法人の刑事責任を問えるように新たな特別法の制定を求めています。事故の予見可能性の立証は組織やシステムが大きくなると困難な場合が多く、結果として、だれも責任を取らないのでは遺族の納得は永遠に得られることはないでしょう。(2025.7.5)

                                            

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