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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

TEL. 088-694-3482

〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

News詳細12News detail

12-2)鳴門わかめの産地偽装が止まらない

 鳴門わかめの産地偽装が止まりません。今年1月に産地偽装が発覚した加工業者の専務は不正防止に取組む団体のトップでした。
 新聞報道によると徳島県が偽装を把握し始めた2007年以降、違反業者に出した是正指示や指導は合わせて23件に上るとのこと。2014年2月5日の徳島新聞((24)社会)は次のように報じていました。
  産地特定へ成分分析 鳴門わかめ偽装疑惑で市方針 疑いあれば県に報告
  同様の化学分析は、2008年に鳴門わかめの産地偽装が相次いで発覚したことを受けて県が2010年度に導入。県職員
  でつくる「とくしま食品Gメン」が県内の流通・加工業者に立ち入り調査し、産地偽装の疑いがある商品があれば分
  析に回している。しかし、県の調査対象は全ての食材に及ぶことから、鳴門わかめに絞った調査を市独自に行うこと
  にした。

 そして、飯泉徳島県知事は消費者庁に当時の阿南久長官を訪ね、「中国産と鳴門わかめでは5,6倍も値段が違う。悪
質業者が罰金を払った方が安いという構図を何とかしたい」と
産地偽装対策の強化を求める提言書を渡しました。
 しかし、その後も、2014年5月(加工業者の逮捕)、2015年11月(加工業者へ是正指示)、2015年12月(加工業者の家宅捜索)と跡を絶っていません。偽装撲滅への道のりはこんなにも遠いものなのでしょうか。
 2015年9月に義務化された営業の届け。2月1日現在、加工専門業者が94、収穫ワカメをゆでるなどの加工をして出荷する漁業者が202あります。徳島県は2012年度の発足当初8人だった「とくしま食品Gメン」を70人に増やして監視を強めているようですが、限界もあるのでしょうか。

 このように、跡を絶たない不正や事故・品質トラブルを防止するため、いま、求められているものは、これらを生みだせない職場環境、見逃せない管理体制、放置できないシステムではないでしょうか。
 不正や事故・品質トラブルを、「生み出さない、見逃さない、放置しない」ではなく、悪意をもってしても、これらを「生み出せない、見逃せない、放置できない」職場環境の構築が喫緊の課題だと考えます。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。(2016.2.12)
                                           

12-1)iPS細胞・最近の成果(膵芽細胞と軟骨)

 昨年、2014年1月30日、「新たな万能細胞作製」と一斉に報じた各メディアは、2014年2月14日、iPS細胞の成果についても次のように報じていました。
  iPS細胞使い成果続々 京大など 
        遺伝子正常でもがんに 形成実験で解明
        血小板大量作製に成功 輸血安定供給へ道


 京都大学の山中伸弥教授がマウスで世界に先駆けて開発した万能細胞は2006年8月、Nature, Scienceとともに三大科学誌に数えられるCell誌に掲載され、発表した万能細胞は「iPS細胞」と名付けられ、山中教授は、「成熟細胞が初期化され多能性をもつことの発見」により、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
 図1は、「iPS細胞」の発表、約15か月後、2007年11月23日付、朝日新聞に掲載された記事を引用したものです。
 図1.万能細胞 日米競争 (出所:朝日新聞2007年11月23日 21 科学)

 一方、
新たな万能細胞(STAP細胞)と一斉に報じた各メディアは、2014年12月19日、「理化学研究所の検証チームは、小保方晴子氏が担当したSTAP細胞の有無を調べる実験でも細胞は作製できず、存在が確認できないと発表した」と報じました。その後、12月26日、STAP論文の疑問点を調べた理化学研究所の調査委員会は記者会見し、報告書を公表して、STAP細胞は既存の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)が混入したものだと「ほぼ断定できる」との見方を示しました。 
 そして、「STAP細胞がなかったことはほぼ確実だ」と述べ、検証計画の終了を発表したため、STAP細胞は事実上その存在が否定されましたが、再生医療の実用化に向けた動きは活発になっています。

 ここでは、京都大学のチームが成功し、今年2月に報道された二つの成果に関する記事を紹介します。

1)2015年2月13日(3)総合(徳島新聞)
 
膵芽細胞 iPSで効率よく作製 京大チーム マウス成功 インスリン分泌も
  iPS細胞を膵芽細胞に変化させる方法はいくつか報告されていたが、効率の面で課題があった。
☆京都大学のチームはこの課題に取り組み、効率よく膵芽細胞を作製することに成功したもの。マウスによる実験でインスリンの分泌も確認できており、今後、膵臓から分泌され、血糖値を調節するインスリンが出なくなる糖尿病の治療法の開発につながる可能性があるとのこと。

2)2015年2月27日(3)総合(徳島新聞)
 
京大 iPSから軟骨作製 世界初 ブタに移植 効果確認
  iPS細胞から、膝などの関節の「軟骨組織」を作り、軟骨を損傷したミニブタの関節に移植して体重を支えることに
 成功した。
☆iPS細胞から軟骨組織を作製したのは京都大学のチームが世界初。関節軟骨の新たな再生医療として4年以内に臨床応用したいと報じている。

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。(2015.3.10)
                                          

12)取って置きニュースいろいろ・2014(第5〜9週)

 「取って置き」を広辞苑で調べると「後日の用意にと大切にしまっておくこと。また、そのもの。」とあります。ここでは、何となく気になって取って置いた徳島新聞の記事の幾つかを紹介します。

1)2014年1月29日(27)社会
  
姫路工場爆発 元副所長ら書類送検 兵庫県警 業務過失致死傷の疑い

  兵庫県姫路市の株式会社日本触媒姫路製作所で2012年9月、消防隊員1人が死亡し、従
  業員ら36人が負傷したタンク爆発事故で、兵庫県警捜査一課は2014年1月28日、業務
  上過失致死傷容疑で、製造所の当時の副所長(55)ら5人を書類送検した。

  ☆日本触媒は、当該事故の原因究明と再発防止策の策定を目的に、2012年10月5日、
   社外委員4名、社内委員3名で構成される事故調査委員会を設置し、事故現場並びに提
   供された記録類、各種実験データや解析結果、証言等について検証を行い、原因究明
   と再発防止策についての議論を重ねました。その結果、2013年3月、「アクリル酸製造施設 爆発・火災事故調査
   報告書」として原因の解明並びに再発防止対策の提言がまとめられました。
   なお、報告書の詳細は(http://www.shokubai.co.jp/ja/news/file.cgi?file=file1_0111.pdf)で確認できます。

2-1)2014年1月30日(1)総合
  
新たな万能細胞作製 ipsより手法簡単 理研「STAP」と命名
  さまざまな組織や細胞になる能力を持つ「万能細胞」を新たな手法で作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合
  研究センター(神戸市)のチームがマウスを使って成功、30日付の英科学誌ネイチャーに発表した。体細胞を弱い酸性
  の溶液に入れることで刺激を与えて作る世界初の手法。「刺激惹起性多能性獲得」の英語の頭文字からSTAP(スタ
  ップ)細胞と命名した。
2-2) 2014年1月31日(1)総合

  
新万能細胞サルで実験 米チーム脊髄損傷を治療
  細胞に刺激を与えることで、さまざまな種類の細胞に変化できる能力を持たせた新しい万能細胞「STAP(スタッ
  プ)細胞」を使い、米ハーバード大のチームが脊髄損傷のサルを治療する研究を始めていることが30日、分かった。
  人間の細胞を使った作製も研究しているという。
2-3) 2014年1月31日(3)総合
  
信念貫き大きな成果 新万能細胞作製リーダー小保方さん 30歳理系「女子」かっぽう着で実験
  世界的な英科学誌から一度は「歴史を愚弄している」とまで否定された研究が実を結んだ。
2-4) 2014年2月7日(3)総合
  
人からSTAP細胞? ハーバード大が写真公表
  人で初めてとなる万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の可能性がある細胞の顕微鏡写真を、米ハーバード大のチャ
  ールズ・バカンティ教授のチームが5日公表した。

  ☆理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと米国ハーバード大学のチームが30日付の英科学誌ネイチャーに
   開発成功を発表したSTAP細胞は、成熟した体の細胞を酸性溶液というストレスを与えることによって、受精卵の
   ような状態にまで戻すことができることを示した画期的な成果といわれています。ES細胞、iPS細胞に続く第3の
   万能細胞となるSTAP細胞の今後の研究成果に期待が高まります。


3)2014年1月30日(3)総合
  
「卑弥呼の鏡」は魔鏡 太陽光反射 浮かぶ文様 京都国立博物館 レプリカで確認 呪術具で使用か
  「卑弥呼の鏡」と呼ばれる三角縁神獣鏡が、鏡面に太陽光を当て壁に反射させると、裏
  面の文様を映し出す「魔鏡」だったことが分かり、京都国立博物館が29日、発表した。
  愛知県犬山市の東之宮古墳(3世紀後半)で出土した三角縁鏡を基に、3Dプリンターを使
  って精巧なレプリカを作って実験した。魔鏡は中国では紀元前からあるが、日本でしか
  出土しない三角縁鏡で確認されるのは初めて。

  ☆3Dプリンタは1970年代に日本や米国などの先進国で研究が始まりました。この発見
   は3Dプリンタを用いて精巧なレプリカを作製し、実験したことによって可能となったものです。今後、「古代の
   銅鏡」の使用目的などの研究に役立つ発見と期待されています。

4)2014年2月5日(24)社会
  
産地特定へ成分分析 鳴門わかめ偽装疑惑で市方針 疑いあれば県に報告
  同様の化学分析は、2008年に鳴門わかめの産地偽装が相次いで発覚したことを受けて県が2010年度に導入。県職員
  でつくる「とくしま食品Gメン」が県内の流通・加工業者に立ち入り調査し、産地偽装の疑いがある商品があれば分
  析に回している。しかし、県の調査対象は全ての食材に及ぶことから、鳴門わかめに絞った調査を市独自に行うこと
  にした。

  ☆「中国産と鳴門わかめでは5,6倍も値段が違う。(悪質業者が)罰金を払った方が安いという構図を何とかした
   い」と、飯泉徳島県知事は消費者庁に阿南久長官を訪ね、産地偽装対策の強化を求める提言書を渡しました。

5)2014年2月12日(25)社会
  データ改ざん JR北きょう捜索 道警、本社など5ヵ所
  JR北海道がレール検査の数値を改ざんして国土交通省の特別保安検査を妨害したなどとして、北海道警は11日、鉄
  道事業法違反などの疑いで12日に同社本社(札幌市中央区)を含む計5ヵ所を家宅捜索する方針を固めた。「2013年
  9月、JR函館線大沼駅構内で発生した貨物列車の脱線事故の直後、現場のレール幅の異常値を改ざんし、国土交通省
  と運輸安全委員会に報告して、国土交通省の特別保安監査を妨害した疑い。また、脱線を予見できたのにレール幅の
  異常を放置した可能性があるとして、業務上過失往来危険容疑などでも調べている」と報じられています。

  ☆北海道七飯町のJR函館線で9月に起きた貨物列車の脱線事故で実際のレール幅39mmを社員が25mmと改ざんし、
   補修を要する整備基準値の社内規定(19mm)の2倍を超えていたが、事故までの3カ月間、レールは補修されず、
   同社はこれが事故原因となった可能性を認めています。国土交通省は1月にJR会社法に基づく監督命令と事業改善
   命令を出しているが悪質性が高いとして告発に踏み切ったようです。

6)2014年2月14日(3)総合
  iPS細胞使い成果続々 京大など 
        遺伝子正常でもがんに 形成実験で解明
        血小板大量作製に成功 輸血安定供給へ道

7)2014年2月20日(1)総合
  降圧剤データ操作 ノバルティスを捜索 東京地検 誇大広告の疑い
  高圧剤ディオバンの研究データ操作問題で、東京地検特捜部は19日、不正な論文を広告に利用した疑い強まったと
  して薬事法違反(誇大広告)容疑で販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)を家宅捜索した。

  ☆これとは別に、東京大病院など国内の22の医療機関が実施する白血病治療薬の臨床研究に、治療薬を販売する製
   薬会社ノバルティスファーマの社員8人が関与していたと報じられています。ノバルティスファーマ社は、今回告
   発されたディオバンの臨床研究において、元社員がデータ解析に関わったことが問題視されたため、2013年7月に
   臨床研究に社員を関与させないとの再発防止策を示していましたが、再発防止策は守られず、社員による回収はそ
   の後も続いていたようです。

  
 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2014.3.1)
                                          

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