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阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。

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〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2

トピックス詳細11Topics detail

11-3)重力波望遠鏡KAGURA(かぐら)完成

 2019年9月30日、東京大学宇宙線研究所を中心として、国立天文台重力波プロジェクト、高エネルギー加速器研究機構などが協力して建設を進めていた大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)が、岐阜県飛騨市にある神岡鉱山の地下に完成し、施設内部が報道陣に公開されました(写真1)。
 KAGURA(かぐら)は3kmの基線長を持ったレーザー干渉計で、アメリカのLIGO(ライゴ)、ヨーロッパのVirgo(バーゴ)などと共に世界的な重力波検出器ネットワークに加わることになります。

 
参考:LIGO(ライゴ、Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)、Virgo (Virgo is an
    interferometric gravitational-wave antenna.)
   詳しくはLIGOのホームページでご確認ください。
   「Gravitational Waves Detected 100 Years After Einstein‘s Prediction」として、ニュースリリース「 News
   Release ; February 11, 2016」されています。

 2017年に検出された重力波と今年(2019年)撮影に成功したブラックホールは、何れもアインシュタインが一般
相対性理論で予言したものです。 このように、アインシュタインの予言から100年の時を経て、宇宙に関わる新しい発見 が相次いでいます。
ブラックホールについては、トピックス11-1)ブラックホール撮影成功重力波については、トピックス11-2)重力波検出の項で紹介しています。
 アインシュタインが一般相対性理論で予言した重力波は、「重い天体などが動くときに、その重力の影響で生じた空間のゆがみが、さざ波のように周囲へ伝わる」とされています。
 2016年2月11日、LIGO科学コラボレーション及びVirgoコラボレーションは 「2015年9月14日9時51分、世界で初めて重力波を検出した」と、発表しました。アインシュタインの予言を実証し、光や電波では見えないブラックホールを捉える天文学に道を開いたのです。
 そして、2017年10月3日、 「2017年のノーベル物理学賞が、世界で初めて重力波を検出した米国の3氏に授与される」と、発表されました。物理学の重大問題だった重力波の存在を実証し、宇宙の謎に迫る新たな天文学に道を開いた功績が評価されたものです。

写真1.重力波望遠鏡かぐらの仕組みと
内部(中央実験室)

(出典:2019年10月1日付、徳島新聞)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2019.10.3)
                                           

11-2)重力波検出

 「(略)昼のお星はめにみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。(略)」は、西條八十に「若き童謡詩人の巨星」と賞賛されながら、1930年、26歳で世を去った金子みすず(1903〜1930)の作品「星とたんぽぽ」の一節です。
 金子みすずが生きた1900年代の初めに、物理学の分野では、
特殊相対性理論(1905年)、一般相対性理論(1915年)
及び
量子力学(1926年頃)の三つの理論が発表されました。
 特殊相対性理論に大きな役割を果たしたアインシュタインは独自に一般相対性理論をつくり上げました。そして、量子
力学の発展に大きな貢献をしたとされています。物理学者たちは、今なお、これらの理論が真に意味するものを探り続け
ています。
 2017年に検出された
重力波と今年(2019年)撮影に成功したブラックホールは、何れもアインシュタインが一般
相対性理論で予言したものです。 このように、アインシュタインの予言から100年の時を経て、宇宙に関わる新しい発見 が相次いでいます。
 そして、
ブラックホールについてはトピックス11-1)ブラックホール撮影成功に記載しています。
 ここでは、重力波について紹介します。
 アインシュタインが一般相対性理論で予言した
重力波は、「重い天体などが動くときに、その重力の影響で生じた空間のゆがみが、さざ波のように周囲へ伝わる」とされています。2016年2月11日、LIGO科学コラボレーション及びVirgoコラボレーションは 「2015年9月14日9時51分、世界で初めて重力波を検出した」と、発表しました。アインシュタインの予言を実証し、光や電波では見えないブラックホールを捉える天文学に道を開いたのです。
 2017年10月3日、 「2017年のノーベル物理学賞が、世界で初めて重力波を検出した米国の3氏に授与される」と、発表されました。物理学の重大問題だった重力波の存在を実証し、宇宙の謎に迫る新たな天文学に道を開いた功績が評価されたものです。

 
参考:LIGO(ライゴ、Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory)、Virgo (Virgo is an
    interferometric gravitational-wave antenna.)
   詳しくはLIGOのホームページでご確認ください。
   「Gravitational Waves Detected 100 Years After Einstein‘s Prediction」として、ニュースリリース「 News
   Release ; February 11, 2016」されています。

 
 なお、国立天文台重力波プロジェクト推進室のホームページには
 「重力波とは」題して、アインシュタインの予言、重力波の発生源、重力波の検出、地上干渉計重力波検出器及び宇宙
干渉計重力波検出器について、イメージ図を交えて紹介されています。図1は国立天文台重力波プロジェクト推進室のホームページから引用したものです。

図1.レーザー干渉計の概念図

(国立天文台重力波プロジェクト
 推進室ホームページより引用)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。  (2019.7.3)
                                          

11-1)ブラックホール撮影成功

 2019年4月11日、徳島新聞は、「私たちはついにブラックホールの姿を捉えた。世界初の快挙を成し遂げた国際チ
ームを率いた米国の研究者シェパード・ドールマン氏は高らかに宣言した。」と
ブラックホールの撮影成功を報じま
した。日米欧などの研究チームEHT(Event Horizon Telescope)が撮影に成功したのは、地球から約5500万光年
離れた銀河「M87」にある
ブラックホールです。
 EHT-Japanのホームページには、EHTプロジェクトの目的とEHT-Japanの目標・特徴が次のように紹介されています。
 ・EHTプロジェクトの目的 EHT (Event Horizon Telescope) は、地球規模の電波干渉計を用いてブラックホール
 シャドウの撮像を目指す国際共同研究プロジェクトです。ブラックホールシャドウの撮像は、人類史上まだ実現されて
 いない未開のフロンティアで、その実現はブラックホールという光さえ吸い込む暗黒の天体の存在を直接的に示す強力
 な証拠となります。さらに、ブラックホール周辺の強重力場での一般相対論や、ブラックホール近傍でのガス降着・噴
 出のプロセス等を研究する上でも、ブラックホールシャドウや周辺領域の撮像が重要な鍵となります。EHT ではミリ
 波・サブミリ波帯の超長基線電波干渉計 (VLBI) を地球規模で構築し、ブラックホール近傍の様子を描き出すことで、
 これらの研究を推進します。また、EHT以外のVLBIを活用したセンチ波帯の観測プロジェクトと共同観測を実施した
 り、シミュレーションを駆使した理論研究を組み合わせたりすることで、ブラックホール周辺の現象・構造のさらなる
 理解を目指します。これからもEHTは望遠鏡の拡張や広帯域化により観測システムを発展させ、より高い解像度と感度
 を実現し、ブラックホール研究を進めていきます。
 ・EHT-Japan の目標・特徴  EHT の日本チーム (EHT-Japan) は、観測装置の開発や解析ソフトウェアの開発に大
 きく貢献してきました。また、東アジアVLBIネットワーク (EAVN) を構築し、EHTと共同で研究することで、多波長
 観測からのブラックホール研究を進めています。さらに東アジア地域の研究者で協力して、ブラックホール近傍からの
 噴出現象を理論的に説明する統一モデルの構築を目指しています。
 
 「ホーキング、宇宙を語る<ビッグバンからブラックホールまで>(S・W・ホーキング 著、林一 訳 39版発行)の
原題は、「A BRIEF HISTORY OF TIME<From The Big Bang To Black Holes>」で、1988年(訳本は1989年初版)
に出版されています。筆者も30年前に購入しました。
 宇宙の起源と運命をめぐる壮大な謎に挑戦し続けていたホーキング博士は、昨年(2018年)3月に亡くなりました。
Wikipediaによるとホーキングの代表的な業績として次の二つが挙げられています。
 @一般相対性理論般相対性理論が破綻する特異点の存在を証明した特異点定理をロジャー・ペンローズと共に発表。
 A一般相対性理論と量子力学を結びつけた量子重力論を提示し、この帰結として、量子効果によってブラックホール
  から粒子が逃げ出すというホーキング放射の存在を予想。
 
 これらについて、ホーキングは上記著作の中で、次のように述べています。
 @一般相対性理論にに従う限り、ブラックホールの中には無限大の密度と無限大の時空湾曲率をもつ特異点が存在する
  はずである。この特異点は時間の始まりにおけるビッグバンにかなり似ている。(後略)
 Aブラックホールからの放射という考えは、今世紀の最も偉大な理論である一般相対性理論と量子力学の両方に本質的
  に基づいた予測の最初の例である。この考えは最初、多くの反対を招いた。(後略)

図1.ブラックホール
(出所:2019年4月11日付、徳島新聞)


 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2019.6.27)
                                           

11)仮説と検証(ヒッグス粒子)

 宇宙創造の一瞬をつくる(CERNと究極の加速器の挑戦)(アミール・D・アクゼル著、水谷淳 訳、早川書房)、原著は「PRESENT AT THE CREATION (The story of CERN and the Large Hadron Collider (Amir D.Aczel(2010))」です。
 タイトルにあるCERNでは究極の加速器を用い、宇宙と物質の謎を解くため、ノーベル賞級の研究がなされています。ヒッグス粒子発見のための研究もここで行われています。

 物理学のみならず科学の多くの分野の研究において作り出された理論や仮説は、実験により証明されなければなりません。2013年のノーベル物理学賞は、「ヒッグス粒子」の提唱者である英国・エジンバラ大学のピーター・ヒッグス(Peter Higgs)名誉教授とベルギー・ブリュッセル自由大学のフランソワ・エングレール(Francois Englert)名誉教授に授与されましたが、 二人の受賞対象となった研究は半世紀も前になされたものでした。
 1964年に、「万物に質量を与えた粒子」を予想した二人の研究者が、やっと今年になってノーベル物理学賞に選ばれたのですが、予想を裏付ける実験結果が得られるまでに半世紀を要しています。ヒッグス粒子の存在が確定したのは今年
(2013年)の3月でした。そして、一連の実験にCERNの加速器LHCが大いなる貢献をしました。この本は2010年に発刊されたものですが、加速器発展の歴史と今後の展望を予見する内容でした。

 昨今、ヒッグス粒子に関する情報は報道記事を含め、氾濫しています。Wikipediaには、『質量はどのようなしくみで発生するのか、物理学的に整合性を保って説明できるのか、という、多くの物理学者を悩ませてきた難しい問題に対するひとつの解決案として、1964年にエディンバラ大学のピーター・ウェア・ヒッグスは、自発的対称性の破れの考えに基づいたひとつの理論を提唱した。この理論・仮説は後に「Higgs mechanism ヒッグス機構」と呼ばれることになる。』と記載されています。エングレール氏も同年、独自に同様な理論を提唱しています。

 これで、素粒子物理学の基礎となる「標準理論」で考えられた17種類の素粒子のうちの最後の1つが見つかったことになります。しかし、自然を完全に記述するためにはこの「標準理論」では不十分で、新たな理論が必要なことが分かっているとのことです。理論や仮説を実験により検証してきた歴史は、今後も留まることなく続きそうです。
 そして、CERNの究極の加速器LHCへの期待は、一層、膨らみそうです。加速器LHCはスイスのジュネーブ郊外の地下100mに建設されており、全長27kmのトンネルになっています。そのトンネル内で、陽子を光速の99.9999991%まで加速し、衝突させることにより、ビッグバン(大爆発・宇宙の始まり)の1兆分の1秒後の状況を作り出しています。そうすることにより、新たな理論や仮説が検証され、少しずつ、宇宙と物質の謎が解き明かされてきたのです。

 CERNやLHCの詳細については次のURLなどでご確認ください。
● CERN     http://home.web.cern.ch/
● Atlas Japan  http://atlas.kek.jp/

 当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.10.21)
                                         

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