消費生活問題メモ10Consumer information
10)一酸化炭素中毒
一酸化炭素は炭素化合物が不完全燃焼する際に発生します。一酸化炭素は無色・無臭で気が付きにくい気体ですが、吸入すると血液中のヘモグロビンと結合し、血液の酸素運搬能力が下がるため中毒症状が現われます。
中毒症状の程度については、新しい時代の安全管理のすべて(大関親(2005))に次のように記述されていいます。
中毒症状の程度は、一酸化炭素濃度(ppm)とばく露時間(hr)の積(中毒指数)で表される。
中毒指数が300以下 作用なし
600以下 多少の作用(異常感)
900以下 頭痛、吐き気が起こる
1,000以上 生命危険となる
2013年11月28日、NITEにより、「一酸化中毒の事故防止について(注意喚起)」について、プレスリリースが行われました。NITEが、事故情報データーベースを基に報道発表用にまとめた一酸化炭素中毒の事故防止に関する事故情報の概要は次のとおりです。なお、詳細は説明資料(http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs131128.html)及び報道発表資料(http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs131128set.pdf)に記載されています。
(事故情報の概要)
◆2008〜2012年の5年間にNITEの製品情報センターに通知された件数 51件
年度 2008 2009 2010 2011 2012
死亡 3 3 5 2 0
重症 0 2 0 1 1
軽傷 13 11 5 1 4
◆主な被害状況
死亡 13件(25.5%)
重傷 4件 ( 7.8%)
軽傷 34件(66.7%)
◆製品別・事故(件数)
ガス湯沸器 18
ガス給湯器 8
石油ストーブ 7
石油ファンヒータ 5
携帯発電機(ガソリン燃料) 5
ガスコンロ 3
その他 5
◆原因別・事故(件数)
製品に起因する事故 0
製品に起因しない事故 42
原因不明 3
調査中 6
一酸化炭素中毒の事故の特徴は、「製品に起因する事故」ではなく、「製品に起因しない事故」が多いということです。「製品に起因しない事故」の原因には使用者の不注意や誤った使い方が挙げられます。死亡等の重篤な人的被害に至ることが多い一酸化炭素中毒の事故を未然に防止するためには、製品を正しく安全に使用しなければなりません。
冬期、一酸化炭素中毒の事故は増える傾向にあります。不注意や誤使用など、使い方に問題があると思われる事故は使用者の心掛けしだいで未然防止が可能です。死亡や重傷事故等の重篤な人的被害撲滅に取り組みましょう。
当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。
(2013.12.5)
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