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3)人生いろいろ(日本人の国民性はどのように変化したのか)
統計数理研究所が1953年から5年毎に「日本人の国民性調査」を行っている。
調査結果の詳細はhttp://www.ism.ac.jp/kokuminsei/index.htmlに公表されている。
既報の「その後の人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止」では「日本人の国民性調査」の内、日本の「科学技術力の水準」、日本の「生活水準」、日本の「経済力」の調査結果(グラフ)について述べた。
日本の「科学技術力の水準」の “非常によい” は1973年から1988年まで増加していたが、1998年に約半分に落ち込んだ。その後、増加に転じ、2008年にはほぼ1978年の数値まで回復した。
人生いろいろ
日本の科学技術力の水準
日本の「経済力」の“非常によい”は1973年から1978年はほぼ横這いで1988年には1978年の約2倍まで増加している。これはバブル崩壊の始まりの時期と一致しておりその後、下降に転じ、1998年から2008年までは3〜5%でほぼ横這いである。
人生いろいろ
日本の経済力
日本の「生活水準」の“非常によい”は1973年の9%から1988年の17%まで増加している。その後は「経済力」と同様の傾向で1998年から2008年まで5%で横這いである。
人生いろいろ
日本人の生活水準
本報では加えて「人は信頼できるか」、「日本の「心の豊かさ」」、「生活水準10年の変化」、「社会は公平か」及び「社会に満足化」について、その調査結果を紹介する。
日本人の「人は信頼できるか」の“信頼できる”は1993年まで増加したが、 その後、下降に転じ、経済成長率の鈍化と共に、“用心する”が増加している。
人生いろいろ
日本人の「人は信頼できるか」
日本人の「心の豊かさ」の“非常によい”と“ややよい”の合計は1973〜1993年は38〜45%であるが、1998〜2008年は25〜28%となり、あたかも経済成長の低迷が「心の豊かさ」を奪ってしまったかのようである。
人生いろいろ
日本人の「心の豊かさ」
日本人の「生活水準10年の変化」の“よくなった”と“ややよくなった”の合計は1983年の49%から2003〜2008年には20〜21%で推移しており、経済成長の低迷が反映されている。
人生いろいろ
日本人の「生活水準10年の変化」
日本の「社会は公平か」の“公平だ”と“だいたい公平だ”の合計は1993年の36%を除けば26〜30%で推移しており、経済成長低迷の影響は大きくないようである。しかし、残りの約70%の日本人は公平ではないと感じており、この不公平感は「人は信頼できるか」や「心の豊かさ」の否定的な結果に影響を及ぼしている。
人生いろいろ
日本の「社会は公平か」
日本の「社会に満足か」の “満足” と “やや満足” の合計は1993年に50%でピークとなった後、28〜30%を推移している。
これらのことから日本人の国民性調査の結果にはその時々の経済状況が反映されていることは明らかである。
人生いろいろ
日本の「社会に満足か」
(2013.1.14)