本文へスキップ
阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所は、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。
阿部技術士・労働安全コンサルタント事務所
TEL.
088-694-3482
〒771-1330 徳島県板野郡上板町西分字橋北16番地2
安全情報メモ55
Safety information
55)床上操作式クレーン(構造・装置)
1)クレーン等の構造
クレーン
は後述する「クレーン構造規格」(参考資料)で定める巻上装置や走行装置などの作動装置で構成されています。
例えば、天井クレーンでは、クレーンガーダとサドルが構造部として扱われます。また、ジブクレーンではジブや柱など、橋形クレーンではガーダや脚などが構造部になります。天井クレーンの場合、このクレーンガーダは両端が支えられた「はり」といえます。そして、このクレーンガーダをサドルが支えています。このサドルにはクレーン全体を走行させるための車輪が備えられています。そして、構造部の各部材は溶接構造や摩擦接合用高力ボルトなどにより接合されています。図1は高力ボルトによる摩擦接合の一例を示したものです。
図1.高力ボルトによる摩擦接合
(出典:新日鐵住金鰍フweb資料)
クレーンの構造
は1996年2月1日に発出された
基発第47号
「クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について」により規定されています。その後、技術の進展に伴い、2003年9月2日に発出された
基発第0902007号
(「クレーン構造規格及び移動式クレーン構造規格の適用について」の一部改正について)により改正されています。
以下は、都道府県労働基準局長あての通達の一部を引用(和暦を西暦に変更、下線部追記)したものです。
クレーンの構造規格(1995年労働省告示第134号)及び移動式クレーン構造規格(1995年労働省告示第 135号)
(以下、「新規格」という。)は、1995年12月26日に公布され、1996年2月1日から適用されることとなっている。
今回の
(1996年2月1日の基発第47号による)
改正は、クレーン及び移動式クレーンに係る構造規格を当時の技術
の進歩に対応させるとともに、ISO(国際標準化機構)及び諸外国のクレーン及び移動式クレーンの構造に関する規
格との整合性の確保を図るため、従来の規格を全面的に見直したものであり、これによりクレーン及び移動式クレ
ーンの安全確保等をより一層推進しようとするものである。これに伴い、従来のクレーン構造規格(1976年労働省
告示第80号)及び移動式クレーン構造規格(1976年労働省告示第81号)(以下「旧規格」とい う。)は、廃止される。
ー以下、省略ー
(参考資料)
クレーン構造規格
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第37条第2項及び第42条の規定に基づき、
クレーン構造規格を次のように定める。
第1章 構造部分等
第1節 材料(第1条・第2条)
第2節 許容応力(第3条−第7条)
第3節 荷重(第8条−第10条)
第4節 強度(第11条−第14条)
第5節 安定度(第15条)
第6節 控え(第16条)
第2章 機械部分
第1節 ブレーキ(第17条−第19条)
第2節 ドラム等(第20条−第23条)
第3節 安全装置等(第24条−第33条の2)
第4節 電気機器等(第34条−第38条)
第3章 附属部分
第1節 緩衝装置等(第39条・第40条)
第2節 逸走防止装置等(第41条・第42条)
第3節 歩道等(第43条−第46条)
第4節 運転室及び運転台(第47条−第49条)
第4章 加工(第50条−第53条)
第5章 ワイヤロープ等(第54条−第55条の2)
第6章 雑則(第56条−第57条)
附則 別表第1(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
別表第2
別表第3
別表第4
関連通達
1996年2月1日 基発第47号
1999年9月30日 基発第567号
2001年3月30日 基発第278号
2003年9月2日 基発第0902007号
2)クレーン等の作動装置
ここでは、クレーンに装備されている巻上装置や走行装置などの作動装置について紹介します。
@巻上装置
巻上装置とはウインチとも呼ばれ、動力により回転させるドラムにワイヤロープ等を巻き付け、荷の巻上げ、巻下げを行うものです。 巻上装置は、巻上用電動機、ドラム、減速装置、制動用ブレーキ等で構成されています。
動力の伝達は、車載用ではパワーテイクオフ が主流のようです。この方式による動力の伝達は、機械式と呼ばれるギアのみによるものと、歯車ポンプを駆動し油圧モーターで駆動する油圧式とがあります。小型のものを除き、殆どのものが油圧式です。
Aホイスト
ホイストとは、電動機・減速装置・ドラムなどが1つのケーシングにまとめられた巻上装置をいいます。ワイヤロープで荷を吊る「ワイヤホイスト」とつりチェーンで荷を吊る「チェーンホイスト」があります。
B横行装置
横行装置とは、トロリを横行させる装置をいいます。トロリとは荷を吊ってガーダに沿って水平方向に移動する台車の総称です。
電動機の回転を減速装置により減速し、トロリの車輪を駆動し、横行させます。横行装置には、電磁ブレーキや電動油圧押上機ブレーキが用いられています。しかし、ブレーキの取付けが義務付けられていないクレーンもあります。
C走行装置
走行装置とは、クレーン全体を走行させる装置をいいます。駆動の方法には集中駆動と部分駆動の二通りあります。 集中駆動式は、ガーダの中央付近に取付けた走行装置の電動機が減速装置を介して走行長軸の両側に取付けている小歯車を回転させ、走行車輪の歯車を駆動させています。また、部分駆動式は電動機と減速機を両側のサドルに取付け、ピニオンを回転させて走行車輪に取付けたギヤを駆動させています。
走行装置には、横行装置同様、電磁ブレーキや電動油圧押上機ブレーキ等が使用されていますが、ブレーキの取付けが義務付けられていないクレーンもあります。
D起伏装置
クレーンのジブ取付部を支点としてジブを上下させる装置を起伏装置といいます。ジブの起伏装置は 電動機やブレーキ、減速装置、ドラムを備えています。ドラムを回転させることにより起伏用ワイヤロープの巻取りや巻戻しを行い、ジブを起伏させています。起伏装置には、安全装置として最大及び最小作業半径を超えそうになると、自動的に起伏を停止するリミットスイッチが取付けられています。
E伸縮装置
クレーンのジブを伸ばしたり縮めたりする装置を伸縮装置といいます。ジブとは上部旋回体の一端を支点とした腕のことで、箱型構造の伸縮ジブやラチス構造の継ぎジブなどがあります。継ぎジブはジブを継ぎ足してジブの長さを変える機械式ですが、伸縮ジブは油圧シリンダや伸縮用ワイヤロープとの組み合わせによりジブの伸縮を行います。起伏装置との組み合わせ操作により、つり荷の巻上げや巻下げを行います。
F引込装置
つり荷の引込みや押出しをする装置を引込装置といい、引込みクレーンに取付けられています。引込装置には、ダブルリンク式、スイングレバー式、ロープバランス式、テンションロープ式があり、これらの装置を総称して引込装置といいます。
G旋回装置
旋回装置とは、ジブクレーン等の旋回体を旋回させる装置をいいます。旋回体に設けた電動機の動力を減速装置に伝えて固定歯車に噛み合っているピニオンを回転させ、センターポストを中心に旋回体を旋回させています。起動又は停止時の衝撃の緩和や強風時の旋回対応として、電動機や駆動部にかかる負荷を軽減させるため減速機の部分に滑り機構を設けることもあります。
Hフック及び格納機構
小容量のクレーンには片フック、 大容量のクレーンには両フックが使用されています。小型移動式クレーンに用いられるフックは片フックが一般的です。フックには玉掛け用ワイヤロープの外れ止め装置を備えなければなりません。作業終了時にフックをジブ先端に格納する機構を設けたクレーンもあります。
当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2014.2.17)
このページの先頭へ
ナビゲーション
トップページ
TOP PAGE
各種情報(トピックス・ニュース他)
**トピックス**
技術士事務所
PEOFFICE
労働安全コンサルタント事務所
SACONSUL
プロフィール
PROFILE
事務所概要
COMPANY
お問合せ
CONTACT U
消費生活問題
CONSUMER