技術情報メモ32Technical information
32)生産工学(Group Technology)
1913年にフォードがエンジンの組み立てラインを実用化しています。このような流れ生産(Flow production)による能率的な生産手段が実用化される一方で、多種少量生産の生産性は、相変わらず、低いままでした。
Group Technologyは多種少量生産の生産性改善を目指して提案された技術でした。Group Technologyは1958年に旧ソ連のMitrofanov,S.P.によって提案されました。基本的な考え方は、機械設備を構成する部品のグループ化を行うと共に、生産ラインを改善し、量産効果を出そうとするものでした。
具体的には、部品形状、寸法、加工法などの類似性を基準にして分類方法を定義します。そして、その定義を用いて、部品をグループ化します。 現在、40以上の分類方法が開発されています。
旧ソ連で開発されたGroup Technologyは東西ヨーロッパを経て、日本や米国に浸透しました。主な分類方法として次のようなものが挙げられます。
・ドイツ(アーヘン工科大学方式)〜部分形状、寸法、加工法の類似性基準
・イギリス、旧チェコスロバキア〜部品の形状の類似性基準
・日本(KC方式)〜中小規模工場向け
・日本(KK方式)〜一般機械工業向け( 切削・研削加工を対象とする機械加工部品の汎用分類システム)
Group Technologyは生産現場の努力だけでは効果は上がりません。製品設計の段階からGroup Technologyを適用し易い設計をしなければならないのです。このことがGroup
Technologyを生産工学で採り上げた所以なのです。
Group Technologyにより次のようなことが可能となります。。
・グループ化された部品群を利用することにより生産の効率化が可能となります。
・コンピュータによる情報管理により、工程設計の自動化が可能となります。
・コンピュータによる情報管理により、新規部品設計時に類似の部品を検索し利用できるようになります。
当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.8.10)