技術情報メモ8Technical information
8)信頼性向上・冗長性の考察
ものづくりの現場では各種の機械が単体もしくはシステムとして稼働しています。それぞれの機械やシステムが問題なく稼働しなければ品質に問題が無い製品を作ることはできません。このため機械やシステムの信頼性を向上させることが必要になります。
ここでは、機械やシステムの設計製作の段階で検討すべき信頼性向上、特に、冗長性について考えてみます。
冗長性とは既定の機能を遂行するための要素や手段を余分に付加し、その一部が故障しても既定の機能を維持できる性質ことです。図1はシステムの信頼度を直列系と並列系で比較したものです。
直列系ではどの機能が故障してもシステムは停止しますが、並列系ではいずれかの機能が正常であればシステムは停止しません。
次に、それぞれの系を構成する機能(R1,R2,R3)の信頼度(機能を維持している確率)を0.8と仮定してそれぞれの系の信頼度を求めてみます。信頼度は、直列系Rs=0.512、並列系Rs=0.992となり、並列系の方が優れていることが判ります。
なお、機械やシステムを維持管理するための方式については安全情報メモ4の事故・品質トラブルの未然防止に繋げる保全で紹介しています。
当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止のための方策を提案するとともにものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします
信頼度の比較
直列<並列
(2013.5.22)