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8)マニュアル依存からの脱却
このホームページ作成を通して再認識したことがあります。それは教育の重要性です。
ホームページビルダー16を購入して作成に取りかかったのですが、かなり読み込まないと使えるものにはなりませんでした。このことは当たり前の話であってこの読み込みの作業が学習であり、独学できない場合は所定の教育機関等で教育を受けることになります。
ホームページビルダー16には各種のテンプレートが準備されていて、それを置き換えればよいという考えもありますが、自分のイメージとはかなりかけ離れたものになります。そうなるとソースプログラムにも踏み込まざるを得ないし、セキュリティへの配慮も必要になってきます。そして、マニュアルに書かれていることだけでは対応できなくなり、新たな書籍、ウェブドキュメントの調査、プロバイダーやジャストシステムへの問い合わせなど、知識を吸収しながら対応することになります。
ものづくりの現場でも似たようなことがあります。新しい何かを導入した場合、マニュアルが頼りになりますが、マニュアルから少しでも外れると対応できない人が少なからずいます。それはマニュアルを教えることではなく学習の仕方を教える教育が不足しているためと思われます。積極的な人間は自ら進んでわからないことを調べようとしますが、そうでない人間は「マニュアルに書かれていないからトラブルが発生した」とか「点検するように書かれていなかったので点検しなかった」などと言って、マニュアル作成者を責めようとします。
この場合、教育を受ける姿勢に問題があるのは間違いないのですが、教える側の姿勢も見直さなければなりません。学習の仕方を教えるだけの余裕がないため、無意識にマニュアル依存人間を乱造している現実があるのかもしれません。 また、どのようなものづくりの現場にも職人的な作業に頼らざるを得ないことが少なからずあります。マニュアルには書ききれないし、調べても答えが無い、そこの現場でしか、解決しえない作業があります。このような作業はじっくり時間をかけて伝承していくしかないのです。しかし、教える側がこれらのことをどの程度まで理解しているのでしょうか。この点が、安全な環境で作業ができ、品質が安定した製品をつくることができるか否かの分かれ道と考えます。
ものづくりの現場には伝承しなければならないことが数多く存在しています。しかし、コスト競争に晒され、合理化により人員削減が進められたものづくりの現場においてこれらの伝承は進んでいるのでしょうか。伝承の成否は教育にかかっています。
ものづくりの現場ではいろいろなトラブル、事故が発生していますが、そのほとんどが人間行動に起因するものです。人間が介在する作業で、結果として生じるヒューマンエラーをどのようにして未然防止すべきか。ものづくりの現場における教育の役割は大であります。教育システムの見直しはそれぞれのものづくりの現場において取り組むべき重要なテーマの一つと考えます。
当事務所では人間行動に起因する事故・品質トラブルの未然防止をお手伝いします。また、ものづくりの現場の皆様の声を真摯に受け止め、ものづくりの現場における労働安全の構築と品質の作り込みをサポートします。 (2013.5.30)